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落ちるのが怖かっただけ

上の続きのようなそうでもないような。
路線的には一緒です。
二人はできてる設定で。 題名関係ないなorz

弟に引っ張られてやってきた会議場には、まだ開始時間までだいぶあるというのに、もう殆どの国が顔を見せていた。
弟が入り口で「チャオ!」と声を掛けると、何人かが振り返って「よっ」「こんにちわ」「きたな」なんて声が返ってきた。
それで弟は「あ、日本!」っと言って走って小柄な東洋人の元へ行き、そして俺の側には「ロマーノ、きたんかぁ~」とスペインがやって来た。
「親分、今日、スーツなんよ、みてみて、めっちゃいい男やと思わん?」
ぷすすっと笑うスペインは確かに珍しくスーツ姿だ。
濃い茶の上下に薄い黄色のシャツ、ロイヤルクレストのネクタイ。
彼のワイシャツ姿は珍しくないが、ネクタイをきちんと締め、上着もちゃんと着ているのは珍しい。
特に上司抜きの国だけの会議には、大概寝起き(国王Tシャツやポロシャツ、マドラスシャツなんか)でやってくるのがスペインだ。
決めているスペインは…まぁ対外的に見ればカッコイイのかもしれないが…俺からすれば気持ち悪いだけだ。
「どうしたんだよ…それ」
「いやいや、似合うと思わん?フランスのやつがな見立ててくれたんよ~」
その言葉に俺は口元がひきつった。
「確かに…なんかフランスワインくせぇ…」
「えっ、ほんまか!」
「あと髭もうっすらはえてきてんぞ」
そうからかうと、スペインは慌てたように顎のあたりを撫で…そこにザラリとしたものを感じたのか「あかん!ちょっとお花摘みにいかな!」っと言って会議場を出ていった。
「お花摘みってなんだよ…」
それ言うなら雉撃ちじゃねぇか?
呆れてスペインを見送り、それからもう一度会議場を見渡すと、窓際にドイツを見つけた。
相変わらず悪くはないが洒落っ気もないスーツに、髪を後になでつけた面白みのないスタイル。
ぶっちゃけ…所謂恋人の立場から言わせてもらっても…ダサい。
でも、一度、俺のバカ弟が見立てた服を着てたときは、俺は思わず卒倒しそうになったから…アレでいい。
そのドイツと会うのも何だかんだで二週間ぶりか。
近寄って話をしようかと思ったが…すぐ近くに苦手なやつがいるのに気づいて踏み出しかけた一歩を戻した。

なんであいつが…

忌々しく思っていると「あれ、プロイセンきてるんだ」と声が聞こえ、振り返るとフランスが立っていた。
ますます最悪。
チッ
「おいおい、そんなあからさまに嫌な顔しないでくれる?」
お兄さん、傷ついちゃうわぁ~っとシナをつくる。
「……」
「って、反応なしか!つめたいねぇ~」
仲良くしようぜ。伸ばされた手はすかさず避ける。
「に、しても残念だね。ドイツに話しかけらんなくて」
「べつに」
「ふーん」
ニヨニヨとムカツク顔を睨みつけると、「いやぁ~、結構上手いことやってんだなぁ」なんて言われて俺はカッと顔が赤くなるのを感じた。
「う、うるせぇ!!!」
そういって彼から離れ席に向かうと、フランスの野郎は俺を追いかけてきた。
「くんじゃねぇ!!!」
「怒るなって~、俺はお前らの味方だよ?」
「おもしろがってるだけじゃねぇか!」
「まぁそうともいうけどさぁ~」
「くそ!隣にすわんな!髭!!!」
「はいはい、そう興奮すんなって」
むかつく。
ふんっと顔をそらすと、そこでまた視界に入ってきたのは何やら楽しげに談笑しているドイツとプロイセン。
俺は思わずプロイセンを恨みがましく見た。
あいつら一緒に暮らしていて、毎日顔をあわせているっていうのに…此処に来てまで二人で喋ってる事ねぇじゃねぇか…。
「仲がいいねぇ」
本当にだ! そう返事をしようとして慌てて口を閉じる。
そんな返事しようものならまたフランスにニヨニヨされてしまう…いや、もうされているが。
憎々しいフランスはなぜかやたらと俺の内面を読み取るのが上手い。
「あいつら一人一人みりゃ似てないなぁ~って思うのに、並んでると実はよく似てるのがわかるよな」
フランスは苦々しい俺の内心を見透かし、その上でおもしろがるように言う。
「骨格も体格も輪郭もさ、違うようでいて似てる。仕草や表情も結構似てたりするんだよね」
俺の反応を伺う気配。
俺はつとめて冷静を装い、なんでもないって顔をしているが…実際成功しているかどうかは不明だ。
「困った事があると頭の後ろのあたり掻いたり、苛立ったり考えたりしてる時指でリズムとるとことかさぁ。特に怒った顔とかそっくり」
最後は苦々しげ。
歴史的にもドイツに敵意向けられまくりの男の言葉に心のなかで同意する。
あいつら二人とも怒るととにかくおっかない。
いやいや…一番怖いのは日本だ…なんて言葉を聞いたこともあるが、俺はあの温和な男が怒る所が想像できない。
「にしても、何話してんだろうな。こわっ」
「怖い?」
思わず聞き返すと、「だってそうだろ」とフランスは言った。
「聞いてないか?今回、ドイツから何か提案があるらしいって話」
「そう…なのか?」
「おう、きっとキッツイ提案だぜ?」
怖い怖いと身体を震わせるフランスから目をそらし、二人のほうを見ると…たしかに、彼らの手には厚い紙の束がある。
あれは恐ろしい。
ってことは、談笑の中身は会議での提案とやらについてか。それしても二人とも…よく見りゃ、意地悪そうな顔してやがるじゃないか。
顔を寄せ合ってしゃべっていたかと思うと、プロイセンが何か喋りながら小突くようにドイツの肩を押しやり、ドイツは面倒くさそうにその手を払いまた口を開く。
なんだよ楽しそうに。
ハッ、つまんね。
そうして顔をそらそうとしたその時…

ドイツがニヤリと笑った。

ニヤリ。
ニッとかニヨっとかじゃなくてニヤリ。
いつもは見せない笑み。
一瞬だったけど、確かに見せたその笑みは、肉食獣が獲物を追い詰めた時に見せるようなそれに似ていて…俺の心臓はぴょこんっとはねた。

「うわっ!見た?あの顔!ドイツのやつプロイセンそっくりに笑いやがったぜ!」

フランスが隣で絶望的な声を上げたが、俺はほとんど聞いちゃいなかった。
だって。俺はアイツがあんな笑い方出来るなんて知らなかった。
あんな…おっそろしい…そして壮絶な色気のある笑い方…なんて。
いつもどおりの表情に戻ったドイツを見ながら、俺は胸がドキドキするのを止められなかった。
そして、

「あのドSめ」

と、フランスが吐き捨てるように言った言葉に、またもやドキンっと胸が大きく鳴った。
そして次の瞬間思い出したのは、いつの日かフランスが“俺に”と送ってくれたAVだった。
あの悪趣味極まりないSMのヤツ。縛られた女を、ナチの格好したヤツがいいように嬲るヤツ。それが一瞬で俺とアイツに置き換わって…ゾクッとした。
どうしよう。
たまらない。
俺って変態か?
何もされてないのに…こんな…。

「あれ?どうした?」

口元を両手で抑えている俺を不思議そうにフランスが覗き込む。
俺は何でもないふりを装うつもりだったが、制御不能の熱に3秒でそれは無理だと判断し、「お花摘みに行ってくる!!!」と早々に戦線離脱を宣告し会議室から飛び出した。

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