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幻想の死

ダンテと人修羅 落ちつつある?
駄文。雰囲気。

これは夢だとわかる夢がある。

夜なのに、真っ白に輝いて見える砂浜。
その砂浜に打ち付ける真っ黒な海は満天の星空を映してゆっくりと満ち干きを繰り返している。
砂浜に立った俺は、ただぼんやりと極小さな潮騒を聞いていた。

どれくらいの間そうしていただろうか。
満ちても来ない、引いてもいかない…ただひたすら単調に打ち付ける波に足元をくすぐられてしばらく。
海の果て…夜空と海が溶ける辺りを見ていた俺は、ふとある事に気づいた。

海の向こうが明るい。
いや、少しずつ明るくなろうとしている。

夜が明けるのだ。

もうずっともう一度みたいと思っていた夜明け…。
そう思った時には、もう俺はたまらなくなって海に一歩踏み出していた。
その時だ。

「何処へ行くつもりだ」

男の声。
思わず足を止め弾かれたように振り返ると、そこには悪魔狩りを称する男が立っていた。
「ダンテ」
名を呼べばやや不機嫌な眼差しがこちらへ向けられる。
「何をしてる」
「何って?」
「何処へいこうとしている?」
「何処って?」
聞き返すと、彼は不機嫌そうな眼差しを俺の背後に向けた。
その視線を追うように振り返った俺は、地平線が真っ赤に燃えているのを見た。
大気に揺らぐとろりと溶けた真っ赤な太陽。

夜明けだ。

それがやっぱり嬉しくて、笑顔でダンテを振り返ったが…朝日に照らされたダンテの表情は相変わらず冴えない。
どうしたのかと首をかしげる俺を、彼は哀れなものでも見るような目で見た。
「なに?」
「お前には…あれがどう見えているんだろうかと…」
あれ…というのは、確かにあの朝日を差しているようだ。
彼にはアレが見えないのだろうか。
夜明け。
美しい夜明け。
一日の始まり。
何かを予感させるような朝。
見ているだけでドキドキと胸の高なる太陽。
あれに行きたい。
あれに近づきたい。
もう一歩太陽の方へと進み、そして手を伸ばした。
あれを…あれをずっと見たかったんだ。
ずっと…もう一度見たいと思っていたんだ。
夜が明ける…
星が消え、黄みを帯びた空が東に広がり…
そして太陽の時間がやってくる。
涙が出るほどに美しい…

だけど、

「玲治…あれは…黄昏だ」

その瞬間…世界は顔を変えた。

まさに黄昏。
夕日の赤に染まった世界。
血のような…いや、血液そのものに真っ赤で粘り気のある液体の中に浸った俺は、顔に手を当てて崩れ落ちた。

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