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揺らめく炎のような

普通に創生ルート すでに創生済み 玲治と勇 (ダンテ主)
ごめんなさい、題名全く関係なくなったorz
読み返してない 駄文です

1校時と2校時に玲治の姿はなかった。
でも彼の机の横には鞄がかかっているから、学校に来てはいるはずだ。
数学の時間、そっと携帯を取り出して『どこ?』と打つと、間もなく『屋上』と返ってきた。
このクソ暑い時期によく屋上なんかに。
時計を見ると授業終了までまだ20分。俺は廊下側の一番後の席という特権を行使させてもらうことにした。

 *

屋上は日差しがある分、また暑さが格別だ。
俺は青ざめた空を見上げて目を細め、それから玲治を探して…さんさんと陽の降り注ぐ下に大の字になっている彼を見つけて呆れた。
あいつ、馬鹿じゃねぇの?
「れーいじ!おーい」
影から出る気がしなくて、遠くから呼びかける。
すると玲治は首だけ動かして俺の方を見てニコリと人好きのする笑みを浮かべた。
「そんな暑いとこいるなって!こっちこいよ」
手を振ると玲治は足をひょいとあげ、それを振り下ろす反動で上半身を起こして立ち上がると、ゆっくりとこちらに歩いてきた。
「お前、あんなとこに寝っ転がって馬鹿なの?熱中症なるぜ?っつか焦げる」
「いやー…気持ちよくて」
「はぁ?どうかしてるぜ」
壁に背をつけて座り込むと、玲治もまたすぐ横に座り大きなあくびをした。
のんきな玲治の横顔を見て俺は少し驚いた。
こいつ…
「なんで汗かいてないんだ?」
なんとも涼しげな顔をしている。
こんなに暑いのに。
俺だってうっすら汗かいてるっていうのに。
「あー…ちょっと新陳代謝わるいのかも」
「しんちんたいしゃ悪いと、汗かかないのか?」
「まぁそんな感じ」
玲治は苦笑して、お為ごかしのように手で顔を扇いだ。
だけどそんなところを見ても、彼は一向に暑そうには見えない。寧ろ、今が春先で心地良い風と日差しに眠気を覚えているといった感じ。
なんだか小憎らしい。
「…ってか二時間も連続でサボルなんてめずらしいな」
「あー…そうかも」
「なんかあったかー」
それは特に答えを期待しての質問ではなかったが、
「うん、失恋した」
予想外にさらっと大きな答えが返ってきて、俺は驚き思わず身を起こした。
「は!?失恋?!マジで?!」
「ん、まぁ」
「っつか、相手だれ?!俺の知ってる奴?っつか、いつの間に付き合ってた…っつか、誰かにコクってたのか?!」
勢い込んで質問した俺に、彼は苦笑し「少し落ち着けよ」と言った。
「だって、おま…失恋って!」
無駄にフェミニスト(千晶仕込み)だから女には優しいし、顔だってまぁ…いい男と言えないこともないからモテるし、割と浮いた話も多い(半分以上は完全なデマだが)。
だが、彼の方から積極的に…なんて話はこれまで一度としてなかった。だから女と別れた…なんて話もそれは彼の“失恋”じゃなかった。それなのに…玲治が…失恋?
「相手だれだよ。俺の知ってる奴?」
興味津々の俺に玲治は引き気味。だけど気になるのだから仕方が無い。
「あ、あの美人の先輩?前、雨の日に傘かしてやったとかいう?…じゃなかったらアレ?痴漢から助けたって後輩?それとも…あー、前に逆ナンされたとかいう女子大生?」
できすぎだろうってシチュエーション。
それが割とマジで玲治には多い。それもこれも千晶に幼い頃から叩きこまれた教育のおかげかもしれないが。それでも…彼は、下手なラブコメみたいにあっちこっちからフラグを回収しまくっている。無意識に。
「で、どれが正解?」
俺的には、女子大生…と思ったのだが、玲治から返ってきた答えは「ハズレ」という言葉と、
「勇のしらないやつだよ」
という、中途半端につまらない答えだった。
「んだよそれ。写真とかねぇの?」
「ない」
「年上?」
「うん」
「美人?」
「んー…まぁ、うん…かな?」
首を傾げる玲治、苦笑して鼻の頭を掻く彼が少し淋しげに見えて、俺はようやく“彼が失恋した”のだということを理解した。
いや、もちろん言葉の上ではわかっていたけれど…実感を持っていなかったというか。
そう考えれば、さきほど涼しげに見えたのだって…。
「あ…わりぃな」
「ん?…いや、別に勇が謝る必要はないし」
そう笑う玲治は…しかし、気づいてしまえばものすごく寂しそうというか、影が薄い感じがして胸がざわざわした。
「あー…っつか、あー…お前振るなんてもったいねぇことするよな」
自分でも下手くそすぎる慰めだと思うがこれが精一杯。それを察してか、「そうだな」と玲治は肩を竦めた。
「ほんとに…もったいないよな」
「おう…」
それ以上何も言えなくて困った。
俺は基本的に人付き合いってものが苦手で…楽しい時はまぁいいんだけど…こういう時はどうしたらいいんだかさっぱりわからない。
玲治には何度も慰められた経験はある…気がするんだけど…。
はぁ…わからない。
溜息をつくと、何故か玲治にガシガシと頭をかき混ぜられ「元気だせよ」と逆に慰められた。
「なっ、なんでだよ!」
「ん?何が?」
「何がって…なんで俺が慰めらんなきゃいけねぇんだよ」
「ん?」
「んって…失恋したのはお前だろ?逆じゃねぇか」
「あー…そっか」
そっかって…。
「お前って、割といつも自分は後回しだよな」
「そうかなぁー」
「そうだろ…」
いつもいつも。人に気を使ってばっかり。…まぁそれを楽しんでいるというか、ごく自然にやるものだから無理しているとは思わないけれど…。
「少しくらいわがままとかやったほうがいいんじゃね?」
もしかしたら、こいつが優しすぎるからふられた…なんてことも充分にあり得る。まぁ、つい今さっき思いついたんだけど。
でもこの可能性は結構高い気がする。
もしかしたらあまりにも優しいものだから、気を使わせているとか、壁を作ってるとかって思われていたりして…そんな風な事を口にしようかと思っていると、
「わがままかぁ…」
玲治がぽつりとつぶやき、ごろんと横になった。
…俺の足を枕にして。
「おい」
「いいじゃん。俺、失恋で傷心なんだぜ」
足くらい貸せ…と言われれば、無理に彼の頭も落とすことが出来なかった。
代わりに先ほど彼にされたように頭をくしゃくしゃとかき混ぜると、玲治はくすぐったそうに…でもやっぱり少し寂しそうに笑った。
「…マジだったんだ?」
「…割と」
「ふーん…んじゃ…「無理」」
もう一回頑張ってみれば…そういおうとしたのに、その前に無理だと遮られてしまった。
「なんでだよ」
と聞くと、彼は手首を目の上にあて「なんででも」と言って口をつぐんだ。
それがやけに真剣…っていうか、もう自分の中で決めちゃった…みたいに聞こえたから、それ以上それについては言う勇気はなかった。
そしてそれきり
「玲治?れいじー?」
動かない。
髪をつんつん引っ張っても無駄。
拗ねてしまったようなこんな態度も…玲治にしてはとても珍しい。
「はぁ…」
ったく、なんで男相手に膝枕なんか…しかもこの真夏の屋上で…。
暑い……というか熱い。
団扇でも持ってくればよかった。
焼け石に水って感じもするけれど。
「玲治、これ、貸しだからな」
手をペチっと叩くと「ん」と玲治は答え、こんどこそそれきり何も返さなくなった。

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