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呼ばれるたびに募る苛立ち

独ロマ(?)
日はなんでもお見通し
読みかえしていません…。適当に脳内補完ヨロシクです。

「やってられるか!ちくしょー!」

ぷんぷんと怒って離れていくロマーノ。
ドイツは引き留めるべきか見逃すべきかを迷った。
訓練には参加してほしい。だが、いやいや参加されても意味がないし、ますます嫌われるだけ…今日もまた見逃すべきか?
そんな風にロマーノの背中を見ていると、
「行ってはいかがですか?」
控えめに日本が口を開いた。
「一方的に呼び戻すのではなく、今日は少し話をしてはいかがでしょう?」
イタリア君もダウンしてしまいましたし。
続けられた言葉にドイツが振り返ると、大の字に寝転んだイタリアがヴェッヴェッとつらそうに胸を上下させていた。
「しかし…」
「イタリア君は私が見ておきますから、さぁ」
「ふむ。わかった」
たしかに一度きちんと話す必要があるかもしれない。
ドイツは急いでロマーノの後を追った。
日本が生ぬるい目で見送っているのには一切気づかずに。

 ※

ロマーノに追い付いたはいいものの…さて何と声をかけるべきだろう。
自分より一回り以上小さいロマーノの背中を見ながらドイツは迷った。
普通に「ちょっとまってくれ」で構わないはずなのだが、変に意識してしまったせいで言葉につまる。
うーんと考えていると、不意にロマーノが振り返りドイツを見て「ぎゃっ!」っと悲鳴を上げた。そしてそのまま逃げようとするのでドイツは反射的に彼の軍服の襟首あたりをつかんだ。
「うわっ、やめろ!ばか野郎!」
両手両足を振り回して暴れるロマーノ。二人に町行く人々の注目が集まるが、二人が軍服を着用しているせいか誰もロマーノを助けようとはしない。
「放せよ!俺が何をしたってんだよ!ちぎぃ!」
「暴れるなっ!俺はちょっと…」
「“ちょっと”なんだよ!このジャガマッチョ!」
「ジャ…なんだそれは!俺はただ話をしようと…」
「話?!」
そんなにおかしな事だったのか、ロマーノはおかしな声を上げ、カッと頬を赤らめるとキョロキョロとあたりを見回した。
「ロマーノ?」
「は、話ってのは…お、俺と二人でかよ…」
「そのつもりだ。近くに店をしらないか?ついでに昼食もすませよう」
そういうと、ロマーノはさっきとは違った意味でそわそわしはじめた。
「な、なんで?訓練は?」
「あぁ、そのことについての話だ」
ドイツの言葉にロマーノは一瞬固まり、つぎにワナワナと震え出すと「そうかよチクショウ!」と思い切りドイツの足を踏みつけた。

 *

二人が入ったのは比較的気軽に入れるレストランだった。
ロマーノは最初高級なレストランを主張したのだが、残念ながらドレスコードに彼らの格好は沿わないものであったので妥協したのだ。
「いっとくけど、お前のおごりだからな!」
いつものように無駄にツンケンしながら宣言したロマーノは、カルボナーラのキタッラを頼んだ。てっきり高いものをこれでもかと頼むかと思っていたドイツは、その安価な注文に少し驚いたが口には出さず彼はニョッキ料理を頼んだ。

あまり面白くもない話であろうから、食事の間は訓練についての話題を出すのを控えようとドイツは思っていたのだが、彼ら二人きりで他に会話があるわけもない。
話題を見つけられないせいか、ドイツは妙に緊張してしまう。
イタリアとはこんな時何を話していたか、日本とは何を…と考えても何も出てこず、結局料理が来るまで黙りこみ、料理を黙々と口に運ぶ。
楽しい食事を提供するのが務めのレストランのサーヴィス係は、ワインをすすめてきたり、いいチーズが入っているとサーヴィスしてくれたりと気を利かせてくれたが、二人の沈黙はいかんともしがたい。
結局二人はだまったまま食事を終え、デザートの時間になってようやくドイツは口を開いた。
「訓練のことなんだが…」
かたい口調に、ロマーノも緊張したのか少し表情が固くなる。
「………」
「その…お前は、あまり訓練に来ないし…来てもすぐに帰ってしまうだろう。だから…そのちゃんと参加をして欲しくて…だな」
「………」
「あー…体力が持たないとか、わからないところがあるとかなら遠慮無く言って欲しい…」
「………」
「その…別にメニューをつくってもいいし…銃の扱いなども最初から教えるつもりだ。その…どうだ?」
伺うようにドイツがロマーノを見ると、彼は唇をヘの字に曲げて何かに耐えるような視線でジェラートの乗った皿を睨みつけていた。
「ロマーノ?」
名を呼ぶとジェラードを睨みつけた鋭い視線のまま、ドイツを見た。
「な、なんだ?」
「訓練なんかきらいだ」
「そ、それは知っている。だが、やらなきゃいけないのは納得してくれるだろう?」
「ふん」
ロマーノはシルバーのスプーンを柔らかなジェラートに差し込み、一口掬う。
「確かにお前は逃げ足は早いようだが…いつまでも逃げ続けるわけにもいくまい。それに、あいつらだっていつまでも逃がしてくれるほどやさしくはないぞ」
「んなこと…」
「わかってないだろう」
少し説教口調になってしまったドイツをロマーノはギロリと睨む。
いつもならその程度の睨みに萎縮するドイツではないのだが、今日は“話し合い”をするという前提があったからか「すまない」とすぐに謝った。
「とにかく訓練に出てほしい」
「…俺が連合に落ちると困るから?」
その程度の理由じゃ納得しないとばかりにロマーノは鼻を鳴らす。
「お前んトコと違って、俺のところは食物は潤ってるしなぁ」
「そういう意味じゃない」
「へぇ、そう言い切れるのか?」
「そう意地の悪いことを言うな…」
ドイツは溶け出したジェラートを食べる気にならず、それをロマーノの方に押しやる。
するとロマーノはそれが当然とばかりに、自分の方に引き寄せ、スプーンを入れる。
「確かにそういう側面はあるのは認める。だが、同盟を組んでいるんだ。そういう意味で心配をするのは当然だろう」
「だろうな」
何故かひどく傷ついたというような顔をして小鼻に皺を寄せるロマーノを見ながら、「だが」とドイツは言葉を続けた。
「単純に俺は“お前”が心配なんだ。打算抜きで」
「…はぁ?」
「お前が腹をすかせてないかとか、怪我をしてないかとか、捕虜になってないかとか、イギリスやフランスにイジメられてないかとか、喉が乾いてないかとか、道に迷ってないかとか、落し穴にはめられていないかとか、軍用犬に追いかけられていないかとか、セイフティを外さずに銃を撃とうとしてないかとか、手榴弾の本体とピンを誤ってやしないかとか…」
「んだよ…それ…」
つらつらと続けられる言葉にロマーノは、そこまで間抜けではない…と呆れ、
「近頃ではお前の弟よりよっぽどお前のほうが心配だ」
次に顔を真っ赤にした。
「…んだよそれ…」
「イタリアに何度も連れてこいと言っているのに、お前は逃げ回っているというし…いっそ俺が迎えに行こうかと何度思ったか。困った事があればいつでも呼べとは言っているものの、お前は俺に頼ってくれるような柄ではないし…まったくお前はどれほど俺に心配をかけているか…っと、そんな話じゃなかったな…。ロマーノ?大丈夫か?」
いつの間にか両手で顔を覆ってしまっているロマーノをドイツは怪訝そうに見つめた。
「ジェラートの食い過ぎで腹が冷えたか?」
「…んだよ…」
「ん?どうした?」
小さな声にドイツが身を乗り出すと、
「無神経野郎!そういう所が大っきらいなんだよ!!!!」
ロマーノが大きな声を出し、ドイツの耳がキーンとなった。
「ロマーノ。突然…」
「絶対、絶対、訓練なんか行かねーからな!クソじゃが野郎!!!」
ロマーノは怒鳴って出て行ってしまった。
一人残されたドイツは、空になったデザートの皿を見て「…だめ…だったか…」と呟やき肩を落とした。
兵士たちの意識や士気を高める方法は沢山学んできていたし、それなりに自負があったというにその技術の全てがロマーノが相手だと無意味で虚しくなる。
「守って…」
やりたい。
だが、自分一人でカバーするには限界がある。
だからこそ少しでも自分で身を守れるようにしておいてほしいと思ったのだが…。
「全く…心配で胸が押しつぶされそうだ」

 *

がっくりと落ち込んだドイツだが、翌日、“絶対に行かない”といったはずのロマーノがイタリアと一緒にいるのを見て、困惑と同時に嬉しくてたまらなくなった。

「よかった!来てくれたんだな!」
「う、うるせぇ、馬鹿弟がうるせぇからだ!」

喜びを全面に押し出すドイツと赤くなってそっぽを向くロマーノ。
そんな二人は日本が生ぬるい目で見守っているのには一切気づいていない。

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