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2-1=0(比翼連理) 08

少しでかなったよ
またもや捏造バイエルンに注意
史実ガン無視なので、気になる人は読まないでね。

仕事の話でドイツを屋敷に迎え入れたバイエルンは、ドイツの後からこちらを窺う小さな子供の姿を見て「ゲッ」と声を上げた。
「どうした…?」
「お前は…銀の髪に、赤い目、小生意気そうな面…まちがいねぇ…お前はプープーだろう!」
ビシッと人差し指を突きつけるバイエルン。
「ぷーぷー?」
そんなバイエルンをドイツは不思議そうな顔で見つめた。
一方、プープーと呼ばれたギルベルトの方は幼い頃の記憶が有るのかないのか…本能的に何か感じるものがあるのか、バイエルンを見上げてニヤリと挑発的に笑う。
「カッ!かわいくねーーーーなぁ、相変わらず!!!!」
頭をわっしゃわっしゃとかき回すバイエルンと、ツンっと顔をそらすギルベルト。
ドイツは二人を見比べ首を傾げる。
「お前たちは何度かしか顔を合わせていないはずだが…随分と仲がいいんだな」
ドイツはバイエルンという兄弟分に対して、無口で粗野…というイメージを持っていたのだが、
「なっ、どこが仲がいいんだよ!!あーーーくそ、何度思い出しても腹が煮えくり立つ…ッ!」
どうやら違っていたらしい。
「それは…「お…じゃなくて、兄さん」」
事情を訊こうとしたドイツの服の裾をギルベルトが引っ張る。
「あ、あぁ、そうだな。中に入っても構わないか?バイエルン」
「お前はいいけど、えー、そこのプープーはダメ」
「さっきから言っているプープーってのはギルベルトのことか?」
「そう、こいつガキの頃、プープーうるさかったろう?」
「そう…だったか?とにかく…ギルベルトも入れてもらうぞ」
「えー…まぁ、仕方ないなぁ、やっさしぃバイエルン様が許可してやるよ」
フフフンっと偉そうな顔をするバイエルンを、ギルベルトはドイツからは見えない位置で睨みつけた。

 *

バイエルンの家は、ドイツの屋敷よりも一回り小さいが、それでもかなりな大きさで使用人たちが多数働いている。
二人を客間に案内したバイエルンは「ちょいと待っててくれ」と部屋を出ていってしまった。
きっと仕事の資料でも取りにいったのだろう。
部屋の中はドイツの屋敷ににて、機能的で無駄なものが見られない。人によっては居心地が悪い…と取るものもいるかも知れない調度だが、ドイツには居心地がいい。
ドイツは出された菓子に手を伸ばすギルベルトを見て「そういえば…」と口を開いた。
「今日は親父とは呼ばないんだな」
別にドイツとしてはどちらの呼称でも構わないのだが、いつもは“親父”なのにさっきは“兄”と呼んでいた。それが不思議で尋ねると、ギルベルトは「あ、えっと…」と恥ずかしげにもじもじした。
「だって…此処は外だし…変だろう?」
「変…なのか?」
よくわからない。
よくわからないが…ギルベルトはよく知らない人間に、自分がドイツのことを“親父”と呼んでいることを知られるのが恥ずかしいらしい。
「いいんだ!今日は、兄さんなんだ!」
「…まぁいいが。あぁ、一応…分かっているとは思うが、バイエルンもお前の兄の一人だからな」
それを聞いた途端、ギルベルトの顔が面白いほどに歪んだ。
「はぁ!?嫌だぜ、あんなの!」
「嫌とか嫌じゃないとかじゃなくて…そうなんだから仕方あるまい…」
「嫌だ!ぜったいお断りだぜ!俺の家族は親父だけで充分だ!」
「それは嬉しいが…」
クッキーをバクバクと食べるギルベルトは盛大に欠片をこぼす。ドイツが見かねてハンカチをギルベルトの膝に広げたとき、バイエルンが資料を持ってやってきた。
そして世話をされるギルベルトを見てニヨっと笑う。
それにカッときたギルベルトは持っていた菓子を投げつけようとするが…それは寸前でドイツに止められてしまった。
「ギルベルトもだが…バイエルンもだ。二人とも兄弟なんだから仲良…」
「違う!」「認めない!」「無理!」「ありえねー」
同時に否定の言葉を口にする二人にドイツは、本当は仲がいいんじゃないか?…と心のなかで疑った。
「…ギルベルトはともかく…バイエルン、お前とは話がまとまっていたと思っていたが…?」
「確かにな…」
バイエルンは不満そうに…ではあるが、頷く。
この戦乱の世の中…小さな国一つ一つが自治をもつのには限界がきている。
ここは民族が一つにまとまり、大きな国を…という考えにはバイエルンは賛成した。
だが、その結果が…
「コイツはなぁ…」
嫌そうにギルベルトを見るバイエルン。
「もっと威厳のある奴だったら俺だってよぉ…」
ドイツはバイエルンに物を投げつけようと必死になっているギルベルトの腕を抑えながら「何が気に入らないんだ」と口を開いた。
「たしかに少し腕白なところはあるが、それは子供だから仕方ないし…寧ろ、これからの時代の事を考えればたくましいくらいだろう」
きっと強くなるぞ。
頭をなでられ褒められたギルベルトは「ふぁ」と声を出して嬉しそうに頬を赤らめた。
仲睦まじい二人の姿。しかしそれがまたバイエルンは気に食わない。
ドイツにばかり懐くギルベルトが妬ましい…とかいう意味ではなく。
馬鹿にしたようにバイエルンがフンっと鼻を鳴らすと、ドイツからは呆れたような目が、そしてギルベルトからは殺気を帯びた視線が飛んできた。
「…はぁ…。とにかく…ギルベルト、少し俺達は仕事の話をするから…」
「メイド長!」
ドイツの声を遮って、バイエルンは声を張り上げ、パンパンっと手を叩いた。
「仕事の邪魔になるチビッコをちょっと外につれてってくれ!あー…ほら、適当に厩にでも放り込んどけばいいから」
「てめぇ…」
文句をいいかけたギルベルトの口をドイツは大きな手で塞ぐと、近寄ってきたメイド長(50代くらいのふくよかな女性)にギルベルトを託した。
「大丈夫ですよ。向こうにお菓子を沢山用意していますから…」
「あぁ…すまないな」
ドイツに送り出されたギルベルトは悔しそうな顔をしながらも、おとなしくメイド長についていき…
部屋を出るか出ないか…というところで、いつの間にか持っていたらしい菓子が入っていたガラスの器を取り出した。
そしてメイド長の手を振り払いドイツと話しているバイエルンの方を向き直ると、そのガラスの器を渾身の力を込めて投げつけた。

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