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廉価恋歌

独+にょロマ
学パロ あー…ネタバレになるので、これくらいで。
読み返さない。

俺には好きな人が居る。
好きな人…というが、他に恋をしたことがないので、もしかしたらそれは“憧れ”という言葉の範疇に入るものなのかもしれないが、とにかく好きな人には違いない。
彼女は俺の友人であるフェリシアーノの姉でロヴィーナという。
フェリシアーノの姉…ということは、つまり俺たちよりは一学年上である。
栗色の髪はふんわりと肩に掛かるくらい、気の強そうな(実際とても気が強い)美人だ。
ほっそりした体つきと健康的に焼けた肌、生命力に溢れるパワフルな女性だ。
俺が彼女に惹かれたのは必然的なものだったと思う。

だけど…

彼女は、俺のことを弟の友人以上には見てくれない。
そう見て貰えるように努力もしてないのだか文句は言えないのだが…それ以前に、彼女には思いを寄せる男がいるらしいのだ。
実を言うと、彼女はその相手と思いが通じ合っているわけではない。
つまり彼女が一方的に熱を上げているだけで、俺にも望みはないともいえないのだが、それでもアピールできないのは、俺が奥手なせいか…意気地がないせいか…いや、違う。そうではなくて、俺は恋をしている彼女がとても美しいと思うからだ。

 *

「ルートヴィヒ!ちょっと来なさい!」

一年の教室までわざわざやってきて、彼女は叫んだ。
その表情は…なんだかとても怒っているように見える。
「あ!ねぇちゃんだ~」
「おやおや、またですね」
友人二人がクスクス笑うのに、俺は苦笑を返し「ちょっと行ってくる」と席を立った。
彼女の元に向かうと、ロヴィーナは「遅い!」と一言。俺には何も言わせぬままに先にたって歩き出した。
向かう先は屋上だ。

彼女がどういうわけで俺を恋愛相談の相手に選んだのかはしらない。
だけど、二ヶ月…いや、三ヶ月ほど前からか。昼休みになるとやってくる彼女は、俺を呼びつけ、そして屋上に連れて行く。
そして好きな人(…それが誰かは実は知らない)のことを話すのだ。
思いを寄せている男に対してなんて仕打ちだ…と、他の男なら思うかもしれない。
しかし、俺はそうは思わなかった。
もちろん、全く思わなかったといえば嘘になる。
彼女にそんなに思われている男が羨ましく、恨めしいし、その男に自分が成り代われたらどんなにいいかと想像しなかったといえば嘘になる。
だが俺はそれ以上に、恋する彼女が俺は好きなのだ。
片思いの彼女は強い。
まぁ時には弱気になることもあるようだが、それでも大抵は強く、タフで。

そして、

「こんなにいい女が思いを寄せてやってるのに、馬鹿な男だと思わない?」
「こんなに健気にアピールしてやってるっていうのに!」
「他の人はみんな気づいてるのよ、なのにあの唐変木!」
「ま、すぐに気づくわよ。だって私みたいないい女は他にいないんだもん」
「それにね、私はまだまだずっと綺麗になるんだから」
「私がわざわざ話しかけてやってるっていうのに、その意味くらい気づきなさいよね!」

自信と愛に溢れている。

彼女はその男の事を総じて悪くいうことが多いのだが、言葉に反して彼女の目には優しさが溢れていて、そんなのを見てしまうと俺はその男を恨むような事ができなくなってしまうのだ。
そしてただ羨ましいと感じ、また彼女の思いが通じればいいのだが…と思ってしまう。
実際にそうなったら、俺はきっと打ちひしがれてしまうだろう。
しかし彼女が幸せならば、俺の心の痛みなど些細なものだと思う。

…それにしても…

「………ね!あんたもそう思うでしょ!」
「あぁ、その男は本当に幸せ者だな」
「…ッ!」

俺は毎度毎度、何故、彼女にグーパンチを食らわなければならいんだろうか。

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