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023 たとえどんなに

原作ベース セシル過去捏造
うちはDS含まれてないので完全な捏造ですヨ
エッジとカインがセシルについて喋ってるだけの話。

「それにしてもバロンは若い将軍が多いよな」

宿でのちょっとした空き時間、エッジはりんごの皮を向きながらカインに言った。
「お前もセシルも十代で隊長職付いてたんだろう?みんなそんなもんなのか?」
それを受けて「まさか」とカインは笑った。
「確かに俺達は早かったが、バロン軍の層はそんなに薄いもんじゃない」
「なんだよそれ、まさか自分たちが優秀だっていう自慢かぁ?」
まぁお前らは確かに強いけど。
「そういう意味じゃない…いや、そういう意味でいうならセシルが飛び抜けているんだろうな…」
「え?お前は?」
「俺は…もちろん実力もあると自負しているが、それより血統の力が大きかったと思っている」
カインは少し自嘲気味に笑って言った。
「竜騎士ってのは昔から貴族の花形だからな」
「へぇ。ハーヴィ家ってのは位が高いのか?」
「位はそれほどでもない。だが、代々青竜騎士の団長を勤めている家系でな」
とても名は知れているし、大貴族からも一目を置かれているのだとカインは言った。
「すごいな。ぼっちゃまじゃないか」
「まぁ…一応な」
そう、カインはこうして竜騎士の鎧甲冑をつけ、モンスター相手に槍を振るうような毎日を送っているが…貴族らしい格好をすれば、それこそ夜会などでは女性たちの目を集め、また貴族達が自分の娘婿にと望むような気品と才覚あふれる好青年である。
苦笑するカインを見て、エッジは目をぱちくりとさせた。
「なんだよ」
「いや…気づいてたけど、お前いい男だもんなぁ…」
「気持ち悪いことをいうな」
カインはやめろというように手を振り、そして籠の中からりんごを一つ取ると、彼はそのままかじりついた。
「じゃぁセシルは?あいつはつまり叩き上げってことか?」
「まぁ…そうともいえるな」
カインはエッジがセシルが孤児だったことを知っているのかどうか判断に迷い、少し曖昧な返事をした。
「あいつはほんの子供の頃から戦場にいるしな」
「ガキのころから?」
「あぁ、それに才能があったんだろうな」
子供の頃から…という問いを曖昧にごまかしたままカインは言った。
「暗黒騎士になるっていうのはそれだけで大変なんだ」
「あぁしってる。バロンの暗黒騎士は最強だが人数は少ないって話を聞いたことがある」
「実際とても少ない。全員で一個小隊にも満たないはずだ」
「そんなにか?」
エッジは驚きつつ、眉を潜めた。
「しかし、俺が昔見たときにはもう少し人数がいたように見えたぜ?」
「何処で見たのかってのも気になるところだが…多分、それは黒騎士を入れてだろうな」
「黒騎士ってのは?」
「黒騎士ってのは暗黒騎士のサポート役だ。暗黒騎士じゃ人数が少なすぎるからな」
「何故そいつらは暗黒騎士にならない?」
当然の問いだが…カインはなんと答えていいか少し困ってしまった。
それは別にそれに対する答えを知らないというわけではなく…自国の秘密に関わることだからだ。
カインの顔を見て、エッジもそれを悟ったのか肩をすくめて無理に言わないでいいというように首を横に振った。
「あぁ、だが一応いっとくけど…べつにエブラーナの王子としてバロンの内情がしりたかった…ってわけじゃないからな」
「もちろんわかってるさ」
「…それにしても…セシルのやつ、ずいぶん溜め込んでたんじゃないのか?」
「溜め込む?」
「ほら、何たって、全く逆の方に進んじまっただろう?」
黒から白へ…暗黒騎士からパラディンへ。
一度は志し、またその道を極めた暗黒騎士が、その逆の属性になというのは相当な心の圧迫があったのではないだろうか。
「そりゃあったんだろうな。だが…本質的には何も変わってないと思っている」
「本質?」
「あぁ、あいつはいつだってセシルだった。それ以外の何者でもなく」
「…だが…暗黒騎士…闇の力とは手を切ったんだろう?」
「そうだな」
「じゃぁ、本質的には前からパラディンの資格があったってことか?」
「かもしれない」
「…よくわからねぇな」
煮え切らない言い方をするカインに苛立ったように眉をひそめるエッジ。
「そりゃわからないさ。俺はセシルじゃないんだからな。俺はそう思っているってだけだ」
「でもたしかになぁ……俺も思うんだけどさ…パラディンってのは、結局“光”の存在ってだけじゃないよな」
「…そうだな。結局は命を絶つ存在だからな」
「まぁ確かに人は殺さないけれど…元は人だったものもいるし…」
「その意味では、パラディンは暗黒騎士…つまり、闇を経験しているものでなければ、なれなかったとは思わないか?」
「確かに…そうかもしれないな。光になるには…闇を知る必要がある…か」
腕を組み難しい顔をしてうんうんと唸るエッジを見てカインは苦笑した。
そして「さて、少し身体を動かしてくる」と立ち上がると、扉口でエッジを振り返り「なかなか有意義な時間だった」と微笑んでみせた。

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