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ジャンバラヤ

題名に意味はない

「…ナミさんは好きな人っていないんですか?」

ビビの言葉に「えっ」と驚いて私は顔を上げた。
「だから、好きな人ですよ」
彼女はにっこりと微笑んで言う。
「いつも私ばっかり相談に乗ってもらってるじゃないですか…だから」
そういう彼女の想い人は2年のコーザという人だ。彼女たち二人は幼なじみ…まだ付き合っては居ないらしいが、両想いなのは傍で見ていてわかる。とっても仲の良い二人だ。
「好きな人ねぇ…」
「いないんですか?」
再度きかれて私は「うーん」と考え、浮かんできた人の姿に小さく笑ってしまった。
その反応を見て「あ、いるんですね」とビビが明るい顔をして言った。そして、素早く左右を確認して、
「やっぱりサンジさんですか?」
と声をひそめて言った。
私はそれに笑い、違うわと手を振った。そして、ここじゃなんだから…というビビに促されて廊下へ向かった。
もう授業が終わっており、生徒たちは帰宅したか部活で、人通りは1/5程に減っている。
私たちは窓の桟に腕をついて話をすることにした。
「で、どうしてサンジくんなの?」
「え、なぜって、だってサンジさんってすごくナミさんにアピールしてるじゃないですか」
「だからって心が惹かれるとは限らないでしょ?」
「んー…でも、サンジさんって優しいですし…」
「彼は女の子なら誰にでも優しいわよ」
私の言葉にビビは「あっ」と声を上げて小さく笑った。
「じゃぁ、ゾロさんかウソップさんですか?」
「え、えぇ?なんであいつらの名前が出てくるのよ」
「だって仲がいいじゃないですか」
「仲がいい…かどうかは別にして、あいつらはただの友達よ」
恋愛対象にはならない。
「じゃぁ…ルフィさん?」
その次には当然出てくるだろうと思っていた人物だが、その名が出た途端、私はドキリとした。
もちろん…
「違うわ」
彼は、違う。
私の好きな人ではない。
だけど、彼に関係ある人が私がちょっと気になっている人で…
「もしかしてエースさんですか?」
ビビの言葉に私はドキッとして、「えっ」とあからさまな反応を返してしまった。
そんな私にビビは意外って顔をして、それから「そうなんですか」ってフフフって笑った。
きっといつも私がからかってばかりだから、その腹いせね。
ちょっとムカつくけど…でも、この事は他の人には話したことがなかったから少し嬉しいかもしれない。
私も一応女の子…だしね。
「あんまり…接点ないんだけどね」
「確かに…そうですね。エースさん三年生ですし…」
接点があったのは、夏の体育祭で同じ組になった時だけ…それ以来接点がない。(ちなみに彼は応援団長だった)
「向こうは私の事、弟の友達くらいにしか思ってないしね」
「そんなこと…」
そういって困ったような顔をビビがするのは、まさにその通りだからだ。
私はふぅっとため息をついた。
「別に二枚目ってわけじゃないんだけどねぇ…」
「でも…すっごくかっこいい人ですよね。それに人気もあります」
「うん…」
エースは二枚目というような顔立ちをしているわけじゃない。でも、細くて筋肉質でモデル体型、そして人好きのする笑顔と人懐っこい性格で人気はかなり高いといえる。
誰にでも優しくってあけっぴろげた人だから…勘違いしちゃう女の子も多いって話…。
まぁ…私もその一人なんだろうけど…でもどうしても、彼のあの太陽みたいに暖かいところには惹かれずにはいられなかった。
まだ、ただ惹かれている程度…。
だけどこれ以上、彼に近づいちゃうと完全にはまっちゃいそうで…ちょっと怖い。
「…って、あれ、もしかしてエースさんじゃありませんか?」
「えぇっ?」
「ほら、やっぱりあれっ」
言われて、彼女が指差す方を見ると…たしかに…オレンジ色のテンガロンハットをかぶった男がいる。
隣に立っているのは友人だろうか…なんかとっても個性的な…言ってしまえばパイナップルそっくりな髪型をしていた(どんな髪型だよって言うかもしれないけど、これは本当)。
彼らはこれから帰るところなのか、かばんを腕に挟んでいる。
「何話してるんでしょうね」
「そんなの…」
わかるわけがない…そう言おうとした時、ふとエースの視線がこちら…校舎の方に流れた。
「あっ、ホラ、ナミさんッ!」
「ちょ、気づくわけ…」

「なみちゃーーーん!びびちゃーーーん!!」

気づくわけない…と思っていたのに。
彼ははっきりと私たちの方を見、そして大きな声で私たちを呼んだ。
「ほらッ!やっぱり…!」
「や、やっぱりって…ッ…ちょっとビビッ!」
心構えが全くできない私の横で、ビビは「エースさぁん」と大きく手を振っている。
それに応えて、エースがニカッという表現がよく似合う笑みを浮かべた。
「なぁ~暇なら一緒に遊びにいかねーかぁ?」
エースの言葉に、隣にいたパイナップル頭が嫌そうな顔をした。
確かに…それは唐突すぎる…と思ったけれど…
「いっきまーす!!!」
「ちょ、ちょっとビビ?!」
いつになく積極的なビビに驚く私に、彼女は任せておいて…というようにパチンと片目を閉じた。
うそ…ちょっと、どうするのよ…?

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