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見守ってはみたものの

後半分かりやすい飽き方をしている

ドイツが子供になってしまった!

その一報を聞いた日本は大慌てで身支度を整え、ドイツへ飛んだ。
飛行機から降りると入管を特別ルートで走り抜けると、タクシーを捕まえ拙いドイツ語でドイツの家の住所を告げた。そしてドイツの家の前に着くと少し多め料金を払い、ドイツの家の玄関の扉に飛びつき、
「ど、ドイツさんは!!」
と、部屋に飛び込んだのだが…
「よーぉ、日本。どうしたんだ?そんなに慌てて」
のほほんと出迎えたプロイセンに勢いを削がれ、ぽかんと口を開けた。
「え…あの…」
プロイセンに関しては、焦燥しているか、それとも激昂しているかのどちらかど思っていたのだが…
「ちょうどよかったゼ。今、フランスとスペインも来てるんだぜ」
どちらでもない…むしろとても機嫌が良さそうなプロイセンに日本はどう反応したらいいかわからなくなった。
「え、え…あのドイツさんは?」
「ん?あぁヴェストか。もちろんいるぜ。庭で犬とイギリスと遊んでる」
「え?イギリスさん?イギリスさんもいらっしゃってるんですか?」
「おぅ。生きてるかどうかは微妙だけど」
「え?それは…」
「お前ら、日本が来てくれたぜ!」
リビングに日本を通しながら、プロイセンがフランスとスペインに来客を知らせた。
「あ、日本やぁ~」
「よぉ、日本、久しぶり」
「は、はい。色々家が騒がしくて…ご無沙汰してしまって…」
「かてぇ挨拶なんかしてんなよ。いいからほら、適当座れ!」
「はい…」
あれ…。
自分はあんなに慌てて一体何をしに来たんだったか…と日本が思った時、庭の方からワンワンと犬の声がした。
自然と彼がそちらに目をやると…
「えっ!ちょっ…あの!!」
小さな男の子が三匹の犬に吠えたてられならがら追いかけ回されている。
「あはは、ドイツの奴、ほんま容赦ないなぁ」
「ほんとにイギリスはかわいそうだよねぇ」
「とかいって、お前ら止めねぇのな」
けらけらと笑う三人。
「えっ、ドイツさん?!っていうか、あれ、追いかけられているのイギリスさんですか?!」
小さな子供は固そうな金髪をしていて、顔立ち(主に眉毛)にもたしかに面影…
「って!た、大変じゃないですか!」
日本の視線の先では、とうとう犬に追い付かれ押し倒されるイギリス…。あわやというところで…
「まて!」
ガラス越しにも少年の高い声が響き、犬達はピタリと動きを止めイギリスの上から降りてちょこんとお座りをした。
その犬達に近寄ったのは…
「えぇっ!あれはまさかドイツさんですか!?」
「おぅ、俺様の天使だ。かぁわいいだろ?」
プロイセンのふざけた言葉に、しかし日本はぶんぶんと首を縦に振り激しく同意した。
それというのも…まぁ、こういってはなんだが、可愛くはあるがポサボサの髪をした野生児のようなイギリスとは違い、ドイツはまさに貴族のおぼっちゃまといった感じだったからだ。
もつれを知らぬサラサラの金の髪に真白な肌、夢見るような薔薇色の頬に透き通るような青い目…犬三匹を順々に撫でてやっている姿は本当に物語の中の王子様のようで…
「な、なんだか…貴族とその従僕というか」
わがままぼっちゃんが、使用人の子をいじめているようにしか見えない。
それを口にすると、三人はそれぞれ楽しそうに笑った。
「たしかになぁ。あれくらいの頃のイギリスは兄貴達にいじめられまくってたし」
「俺は勿論、蝶よ花よと育ててたし、そう見えてもおかしくねーよなぁ」
「間違ってへんわ!あー、おかしっ!」
けたけた笑っている三人を日本がぼんやりと見ていると、中庭への窓が開きドイツがボロになったイギリスを引きずって中に入ってきた。
恐ろしいことに…イギリスは意識を失っているようで、半分魂が抜けかけている。
小さなドイツは日本を見るとニッコリと…それこそ天使か妖精のように美しく微笑んだ。…遺体っぽくなっているイギリスを引きずりながら。
「日本、来てくれたのか。悪いな。心配をかけたんじゃないか?」
「あ、はい。でも、あの、お元気そうで良かったです」
しどろもどろに言う日本にコクリとドイツは頷き、プロイセンに茶を入れるように頼んだ。
「俺は着替えてくるから、フランスかスペインは悪いがそのアホを風呂に入れてやってくれ」
「はいはい了解」
ベシャリと放り捨てられたイギリスをフランスが抱き上げた。
ドイツが部屋を去り、フランスがイギリスを連れていってしまうと、日本は崩れ落ちるようにソファに座り込んでしまった。
「なな、めっちゃかわええやろ?」
「えぇ、ですが一体どうしてこんなことに…。私はよもや国勢に大きな事件でもあったのかと…」
「あ、ほか。やったら心配ご無用や。ただのイギリスの暴走やし」
「イギリスさんの暴走…あぁもしかしてあの…」
と、日本が思い浮かべたのはイギリスが救いのない格好をして『ほわた☆』といいながらステッキを振るう姿だった。日本にとっては西洋の神秘としかいいようのない…アレである。
「昨日、酔っぱらった時になぁ…」
「…なんとなく事態はわかりました」
最後まで説明を受けるまでもなく、彼らとは長い付き合いのある日本はなんとなく事態を察することができた。
「にしても、ドイツ、まじ天使やんなぁ」
うっっりというスペインに日本は同意する。
「確かに…こちらの方のお子様は本当にお美しい方が多いですが…ドイツさんはそのなかでも特別ですね」
「俺のヴェストは今も昔も天使だぜ~」
キッチンから戻ってきたプロイセンはケセセっと笑いながら、日本の前にはコーヒーを、テーブルの中央にキャラメルアーモンドクッキーを置いた。
「ありがとうございます。…でも安心しました。私はてっきりプロイセンさんがものすごく怒っていらっしゃるとばかり思っていましたので…」
「ん~、まぁなぁ最初はなぁ~」
「けど、先にドイツが怒ってしもうたからなぁ」
「なるほど…怒るタイミングを逃しちゃったんですね」
日本の言葉にプロイセンはケセッと笑って小鼻を掻いた。
「それもあるけどよぉ、ヴェストのやつめちゃくちゃかわいいからよ」
「えぇ…あれはたしかに犯罪級な可愛らしさですね」
「だろ?まぁ戻るまで一週間…俺が代わりに仕事しなきゃいけねぇのは面倒くせぇけど、ヴェストが居ればそれも我慢出来ないわけじゃねぇし」
「それにこれまでずっとあそんどったからなぁ、ぷーちゃん」
「遊んでねーよ!別に」
「いんや、遊んどったわぁ」
「あの、ちょっとよろしいですか?戻るまで一週間というのはどういうことですか?」
イギリスが『ほわた☆』やったのなら、もう一度『ほわた☆』やってもらえばいいのでは…と日本は思ったのだが、そう簡単にはいかないらしい。
「あー…ほら、イギリスもちびになっちまったろ?それで魔力?ってのがたまるのがおせぇらしんだわぁ」
「ほわた☆が使えるくらいに魔力が溜まるまで、一週間くらいかかるんやて」
「あぁ…なるほど…」
そんな話をしていると、着替えを済ませたらしいドイツがやってきた。
その姿はやはり天使か妖精かと見紛うほどで、日本は思わず感嘆の息をついてしまった。
「日本、さっきは見苦しいところを見せてしまったな」
「あ、いえ」
ドイツの口調は大人であるときの彼のそれと変わっていない…。
だがその容姿、その高い声のせいでいつもは無駄にある威圧感がごっそり削げ落ち、かわりに庇護欲をくすぐるような愛らしさがにじみ出ている。
「おーい、ヴェストこっちこい」
「む?なんだ?」
プロイセンに呼ばれてトコトコと兄の元に近寄ったドイツは、プロイセンにひょいと抱え上げられ彼の膝の上にちょことんと座ってしまった。
「おぉっ!軽い!柔らかい!あったかい!」
「あ、ええなぁ~」
「…なっっ!兄さん!いったい何を!!!」
一拍をおいて猛烈に抗議するドイツ。だがそんなことを気にするプロイセンではない。
「ケセセ!小さい頃は俺様のお膝の上が一番のお気に入りだったじゃねぇか」
「そ、それは子どもの時の話で…」
「今もちいちゃいやんなぁ~」
「そ、そうですね」
真っ赤になって照れるドイツに、日本は鼻血を吹き出しそうになり、『かわいいかわいいかわいいかわいい』と頭の中で連呼しながら手で鼻を抑えた。
「きゃ、客の前で…恥ずかしいだろう!」
「ケセセ、俺は全然恥ずかしくなんかないぜ!」
肌を真っ赤に染めてじたばたと暴れるドイツだが、彼をがっしりと抑えているプロイセンにとっては全く通用しない。
「ほんまえぇわぁ…ロヴィもちっさくしてもらおかなぁ~」
スペインの言葉に日本は120%同意した…その時、

「ぎゃーーーやめろ、この変態やろう!!!どこ触ってやがる!ぎゃーーーー」

風呂場の方から、イギリスの壮絶な悲鳴が聞こえてきた。
その声にびくんっと身体を揺らしたのは日本で、彼は慌てて立ち上がろうとしたのだが…他の三人は全く気にしていないようで…というか先程の悲鳴も聞こえては居ない様子で、プロイセンは手ずからドイツにクッキーを食べさせようとし、ドイツはそれを真っ赤な顔で拒否し、スペインはうっとりとその様子を見ていた。

「おい、こら!変態髭ッ!てめぇこらッや、やめ、やめろーーーー!!!」

風呂場の方から確かに聞こえるイギリスの悲鳴…。
だが誰も動かないとなれば自主性にかけると言われる日本は、立ち上がる事ができなくなってしまい『イギリスさん…成仏してくださいッ!』と心のなかで手を合わせるしかなかった。

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