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退屈魔王様 02

とりあえず人の居ないところ…という座標で飛んだ俺がたどりついたのは、深い森の中だった。
ピヨピヨと鳥の鳴く声意外なんの音もない森の中。
ちょっとした探査を放ってみると、すくなくとも半径200メートル以内には誰もいない。
まぁ一応、俺は魔王なわけだし、その俺が言うんだから間違いない。
「ってことで…」
俺は無駄に豪華で重いマントや、角のついた悪魔みたいな兜なんかをぽいぽいとっていく。
これは伝説の勇者の装備でないとひっかき傷すら付けることのできないすんごい装備なんだが、それと比例するかのようにすんごく重いので、それを取るととっても身が軽い。
身軽になった俺は腕をぐるぐるまわし、首をまわし、背中を伸ばし、屈伸し…それから“なんでも財布”(俺命名)を取り出した。
説明しよう。
何でも財布とは、一見小銭入れにしか見えない粗末な袋にしか見えないが、質量を無視して何でもかんでも中にいれこむことができるのだ!
「だから、鎧でもなんでも入っちゃうんだよなぁ~」
ふんふんと俺は鼻歌を歌いながら、脱いだそれらをぎゅうぎゅうとちいさな袋に押し込めていく。
しかし、質量を無視してどんなものでも中に入れることが出来るこのお財布それも不思議なのだが、入り口は決して広がらないというのにどんな大きさのものでも押しこめば入る。
実はそちらのほうがちょっと不思議だったりしないでもない。
「自分でつくっといてなんだけど、イミフ」
まぁどうでもいいや。
俺はすっぽんぽんになってすべてをお財布の中に入れると、カオス(混沌)と化している袋の中をひっかきまわして、なんとか普通の人間が着ているような服を探し出して身につけた。
イメージとしては森の狩人って感じだ。もしくはリンク(byゼルダの伝説)
黒い髪に赤い目なんてものは目立つので、無難に金髪(人間には結構いる)に緑色の目を選んだ。
「他におかしなところは…っと、そうだ。魔力だ魔力」
こいつを人間レベルに落としとかないと、宰相や四天王共には一発で居場所がバレてしまう。
「危ないところだった…」
というわけで魔力をギュギューーっとちっちゃくするのだが…
「なんか…苦しい…」
弁当箱にぎゅうぎゅうに飯を詰め込んだような…って、例えが分かりにくいが…苦しい。
「あーあー…なんかあったはず…あー…」
俺はまたもやお財布の中をひっかきまわし、今度は赤い宝石のついた指輪を取り出した。
燃えるような赤、そして金のリングはとても美しいが、実はコレ、はめている人の魔力をどんどん吸いとってしまうという呪いのアイテム。
だが、今の俺にはちょうどいい。
普通の人間なら、半日もたてば持てる魔力を全て吸いつくされ三日はベッドの上だろうが、俺ならまぁ問題ない。なんたって持ってる魔力が膨大だし、消費した端から回復していく魔法の泉。
それじゃ意味なくね?とか言わない言わない。
気休めって大事。
っつか、調子にのって三つとか付けちゃうし。
見た目、かなりなDQN具合だが気にしない。
それから最後にまたもや財布の中から細身の剣を取り出し腰に下げ、弓を持って矢筒を背負えば完璧だ。
「あー…にしても」
ドキドキする…!!!
なんたってざっと100年ぶりの外だぜ…?!
やばい、興奮する…!
軽く浦島太郎だし、俺。
「って、こんなところで一人身悶えしててもしょうがないよな…!」
俺は一人ニヨニヨしながら、森の中を歩き始めた。

魔王城では、上を下にの大騒ぎになっているなんてことはこれっぽっちも知らずに。

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