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困った子 05

白髭ってのは所謂ヤクザものの会社で、警察の指名暴力団にこそ入っていないものの関東圏ではかなりの力を持った組織だ。
まぁ、多少裏に顔の利くやつならまず知っといて損はない名前。いや、知らないなんてのは素人かうわべだけのねんねちゃんだろう。
その白髭と俺とはちょいとした因縁があり、No.2のマルコや今は外に出てレストランなんて洒落た店をやっているサッチとは友達…とまでは言わないが、顔を会わせればそれなりに話をする仲だ。
そのマルコが近頃気に入っているらしい男がいるとサッチいうので俺は興味をもった。
マルコってのは頭がよくて腕もたち面倒見だっていいが、とっつきにくい男だ。部下の面倒見はいいが、自分から興味を示す…それを誰かから見破られるなんて事は珍しい。
マルコが気に入った相手…興味をもつなって方が無茶だ。
早速マルコとよくつるんでいるサッチに彼の居場所を聞いたが、知らないらしい。だが、まぁいくつかあてはあるのでそちらを回ることにする。
当初の予定は全てナシになってしまったが、別に今日でなくてもいいのだ。
「まずは…」
レアなレコードがわんさか売ってあるレコード店、それからいくつか不動産屋を回って、それから飲み屋…はまだ時間的に開いていないから…
とか思って町を歩いていたら、なんと…人ごみの中に特長的(パイナップルみたいな髪だ)がふわふわとしているのが見えた。
あんな奇特…酔狂な髪形をする人間なんてマルコしか知らない…というより、世界を探しても彼以外にはいないだろう。ということでつまり、彼だ。
「マルコ!」
大きな声で少し後ろから声をかけると、ひょっこひょっこと歩いていた背中がピタリと止まり、ゆっくりと振り返った。そして、俺に目を止めると、少しだけ目を見開き「よぉ」と小さく言った。
「よぉ!昼間っからなにしてるんだよ!」
彼の隣に立ち背中をバシバシと叩くと、マルコは嫌そうに顔を歪ませた。
「シャンクス…」
「おう、久しぶりだな」
俺達は再会を喜び(?)ながら、人々の邪魔にならないようにビルのそばについた。
「で、どうした。仕事は首になったのかよい?」
「ひでぇな。ちゃんと書いてるよ。お前さんを探してたんだよ」
「俺を?」
「そうだよ。お前近頃かわいがってる坊主がいるんだって?」
「かわい…おかしな言い方するなよい」
「いいじゃねぇか。本当のことだろう?で、そいつはどんなガキなんだよ」
「…お前におしえねーよい」
「んなこというなよ、俺とお前の仲だろう?」
俺がおもしろがるように言うと、どんな仲だよいとマルコはつぶやきため息をついた。
「お前と俺の趣味は似てるんだよい。合わせたくねーよい」
「なんだ?取られるとでも思ってるのか?」
「……」
答えないマルコを、俺はシシシっとルフィのように笑った。
「ますますみたくなるじゃねーか」
「言っとくが、気に入ったといっても白鬚に引き抜こうと考えてるってだけだよい」
「へぇ。孤高の不死鳥が、とうとう右腕を見つけたのか?」
「おかしなこと言うなよい」
そんなわけはないと否定するマルコの表情を見ながら、俺は相当入れ込んでいるな…と思った。
「これから会いに行くのか?」
「いかねーよい」
これから担当を任されている不動産屋を回るとマルコは言った。
それは本当だろうと俺は思う。
彼は仕事は真面目にやる男だ。
しかし…
「わかったらさっさと行けよい」
「やーだね!」
ここで逃したら、次捕まえるのは相当難しくなるだろうってこともまた分かる。
彼はいい加減に見えて、存外に独占欲が強い。
趣味の似た俺から、気に入った子を隠したいという気持ちはよーくわかる。
俺だって気に入った奴は、コイツにだけは紹介したくない。
だが、それはそれ。

「合わせてくれるまで、つきまとってやるからな!」

宣戦布告とばかりに不敵に笑ってやると、マルコは心底うんざりというように頭を垂れた。

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