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激戦ポジション

イマイチ題名とあってない。
読み返してない。

部屋の扉が開かれた気配を感じて振り返ると、案の定扉が薄く開いていた。
その隙間から顔を覗かせているのは…
「アメリカ…か?」
ほぼイタリアだと確信していたドイツは、顔を覗かせているアメリカの姿に目を見開いた。
一方、アメリカの方はドイツの言葉を無視して、頭だけを部屋に入れた状態できょろきょろと中を見まわし、
「君の頭のおかしな兄さんはいないね?」
と聞いた。
頭がおかしな兄を持っているのはそっちもだろう…と思いながら、ドイツは頷いた。
「兄さんは一足先に国に帰ったぞ。何か用だったか?」
「ううん。用があるのは君さ!ただ、プロイセンがいるとちょっと面倒だからね!」
「はぁ?…あぁ、もしかして明日の会議の話か?」
プロイセンには聞かせたくない話でもあるのかもしれないとドイツは思ったが、アメリカは「そんなんじゃないよ!」と首を横に振った。
「そんなことよりもっともっと面白いことさ!」
「面白い…?」
「そう!せっかく“うち”に来てるんだからね!俺が直々に観光案内してやるんだぞ!」
「それはありがたいが…、此処へは会議の為にやってきているし…それに、今はもう10時過ぎているぞ?」
「夜はこれからなんだぞ!」
「は?ういや…あしたの会議は10時からだぞ?」
「そんなの関係ないんだぞ!」
アメリカは、さぁ行くぞとばかりにドイツの腕を引く。
「お、おいちょっとまってくれ…ッ」
「あぁ、着替えだな!それはちゃんと車に積んでいるから大丈夫だぞ!」
「ちょっとまて!俺は今明日の会議の準備を…あ、アメリカ!!!」

 *

アメリカがドイツを無理やり車に押しこみ、連れていったのは大通りから一本離れた人通りのない通り…からまた少し離れて、若者たちが沢山集まっているところだった。
通行のない通りの左右には、車高の低い車や、一昔まえのスポーツカー、派手なペインティングが施された車などが沢山並んでおり、その周りに若い男女がわんさとたむろしていた。
「アメリカ…」
眉をひそめるドイツに、
「別に怖いことじゃないよ」
とアメリカは笑い、空いたスペースに人をかき分けて止めると先に車を降りた。
ドイツも一拍だけあけて車から降りる…と、若者たち(見た目だけで言えば、ドイツもアメリカも充分に若者だが)の視線を浴びた。
女はやけに露出の高い服を着て高いヒール姿。男のほうは所謂いかにもなヤンキースタイル。
ドイツは注目を浴びてバツの悪い思いをしながら、さっさと前を歩くアメリカの後を追った。
「おいア…アルフレッド!」
国の名から人としてのそれに変えて呼びかけると、アルフレッドは振り返りニコリと人好きのする笑顔を浮かべた。
「早く行かないと、パーティがはじまちゃうんだぞ!」
「パーティ?」
「そうさ!」
アメリカ改めアルフレッドは、足早に進む。
彼の進む先は、どんどん人が多くなってきており、そのうち人と身体を触れ合わせなければ動けないほどの人ごみになってきた。
「おい、アルフレッド!」
「もうすぐだよ!こっちこっち!」
はぐれそうになっているドイツ改めルートヴィヒに気づき、アルフレッドは腕を掴んで先を歩き出した。
ドンっと人にぶつかって男からメンチを切られ、女から好奇な視線を受け…そんなふうにしてたどり着いたのは…
「なんだこれは…?」
鉄柵で作られた檻の前だった。
四方が10メートルほど、高さが5メートルほどの檻だ。
下は鉄板、壁面と上は鉄格子になっており、壁の一片に出入口の扉がつけられている。
中には男が二人入っており、Tシャツにジーンズ姿で殴り合っている。
人々はその二人に向かって拳を振り上げ、悲鳴とも声援とも言えぬ声を上げている。
「今、ここでスゴイ人気なんだぞ!」
人々の声に負けぬようにというように、アルフレッドはルートヴィヒの耳元で怒鳴るように言った。
「ストリートファイトか?」
「そんなもの!面白いよ!」
飛び入りもOKだが、見世物でもあるのだというそれ。
賭けも行われているらしく、バンダナを頭にまいた黒人の男が、人々の間を回り時折金を受け取っている。
「もちろん違法なんだけどね!」
「おい…」
「いいじゃないか!若い人が元気なのはいいことだよ!」
君のところも規制規制じゃなくて、もうちょっと色々と目をつぶってあげることも大切だ…などと言われて、ドイツは複雑な気持ちになった。
煙草、アルコール、喧嘩、賭け事…此処にあるものは確かに、あまり褒められたものではない。
だが、人々がとても楽しそうなのもまた事実で…
「そう…かもな」
自分が真面目すぎるということは分かっていたが…、それを国民に押し付け過ぎるのもよくない。
適度に目をつぶってやる。
そんなことも大切なのかもしれない。
きっとアルフレッドはそんなことを伝えたくて此処に彼を連れてきたのだろう…そうルートヴィヒは思ったのだが…
「さ!君もさっさとエントリーするんだぞ!」
「ハッ?!」
アルフレッドの言葉に顎がカクンと落ちた。
「5人抜きすれば、もれなく賞金1万ドルが手に入るんだぞ!」
君ならきっと勝てると思って、前から狙ってたんだぞ!と、強引にルートヴィヒを引っ張る。
ルートヴィヒは嫌がって暴れるが…彼が強引なアルフレッドに勝てるはずもなく、30分後にはコーク片手にセコンドに立つアルフレッドに指示されて檻の中へと入っていた。

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