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笑顔の通じない相手

にょ仏 と ぷー
王女様なにょ仏 と 幼なじみな貴族のプー
普←にょ仏

彼女、フランシーヌはF***国の第一王女である。
白い肌、薄い水色の瞳、優しげな口元、女神もかくやという美貌、女らしく丸みを持ってメリハリのある体。
美しい彼女を描いた肖像は市井はおろか、貴族や王族たちの間でも人気が高い。
ダンスと歌が得意で、服飾の趣味に優れ、彼女の着るドレスはまたたく間に国の流行になるほど。
国民からの指示は王以上であるといわれる。
そんな彼女は現在16歳でまさに結婚適齢期を迎えている。
人気の高い彼女であるから、ぜひ自分の妻に…と望むものは国内外に問わずとても多い。
そう、毎日部屋を埋め尽くすほどの花や、虹の欠片を集めたような宝石や、分厚いファイルが丸々一つ埋まるくらいのラブレターをもらうほどには。

「それなのに…」

彼女は花の香りがあふれる部屋の中でギリギリと奥歯を噛んだ。
誰にでも愛される彼女、誰もが彼女の前にかしずき、誰もが彼女の頼みを笑顔で受け入れ、誰も彼女には逆らえない。
彼女が欲しいといえば宝石もドレスもお城だって手に入った。
誰もが彼女の微笑みにうっとりと夢を見るような目をした。
なのに、なのに、なのに…

「なぁ、お姫さん、このラブレターいらねぇならもらっていいか?」

彼女は無粋な男の言葉に眉を鋭角に上げて振り返った。
「…ギルベルト…」
「ん?なぁ、どうせ捨てるんだろう?だったらくれよ」
「…別にいいけど…ちなみになにする気…」
「あぁ、弟と焼き芋しようかとおもってよぉ~」
「…………」
誰にも愛され、誰もがフランシーヌの愛を勝ち取ろうと躍起になっているというのに…。
「あ、いっとくけど、さつまいもじゃねーからな、ジャガイモだからな」
「そんな情報いらないわよ!!!」
「はぁ?アホかお前、そこは重要だぞ!さつまいもとジャガイモじゃ…」
「馬鹿!バカバカ!!!!」
持っていた扇を顔に向けて投げつけると、ギルベルトは「プッ」とおかしな悲鳴を上げた。
「いってえええ!!てめぇ、俺の鼻が低くなったらどうしてくれるつもりだコラァ!」
「ハッ!あんたの鼻が低くなったからって誰も何も気にしないわよ!」
「なんだと、この高慢女!てめぇなんか、さっさと宰相の息子(40歳のチビデブハゲ)と結婚しちまえ!」
「な…なんだってあんな男を選ばなきゃいけないのよ!!!私は世界中の男たちみんなに求婚されてるのよ!」
「ったくどいつもこいつも趣味が悪いったらねぇよなぁ!こんな女の何処がいいんだか…」
「あ…あんたの趣味が悪いんでしょう!私の魅力がわかんないなんて!」
「てめぇの魅力なんてわからなくて結構ですよーーーだ。性格ブス」
「な…ッ…。後悔するわよ!その言葉!後になって、私に求婚してればよかった…なんて思っても遅いんだからね!」
「後悔なんて死ぬまでしねーよ!俺にはルッツがいるんだからな!」
フフンっと鼻を鳴らしてドヤ顔するギルベルトにフランシーヌの怒りはますますつのる。
「このブラコン!そんなこと言ってるから何時まで経っても女ができないのよ!」
「ハッ、ルッツがそばにいるんだ、他に女なんて必要ねーなぁ」
「あらあら、そうだったわね、アンタは弟命のド変態だったわね」
「変態じゃねぇ!!!!」
「ルートヴィヒっが可哀想…あぁ、そうだわ」
彼女は細い指を顎に添えてニヤリと笑った。
「私、ルートヴィヒを結婚相手にえらぼうかしら?」
「…は?」
「そうね、それがいいわ。そしたらルートヴィヒはあんたから解放されるし、私みたいな美女を婚約者に出来て一石二鳥じゃない!」
「ふ…ふ…ふ…ふざけんじゃねぇぞ!!!誰がてめぇなんかにルッツをやるか!」
顔を真赤にして怒るギルベルトに、フランシーヌもまた馬鹿にしたような笑みをやめ、彼を睨みつけた。
「な、なによ…!ふざけるなはこっちのセリフよ!!!!あんたねぇ、ふざけんじゃないわよ!」
「は?なんでてめぇにそんなこと言われなきゃいけねぇんだよ!」」
「あんた本当にわかんないの!?こんなに美しい女が…絶世の美女、ヴィーナスの再来と言われた私がこんなにすぐ傍にいて!!!」
「あんだよ、何が言いたいんだ?コラ」
「他の男たちがこぞって私に面会をと申し込んでいるというのに…!!!」
求婚者達の面会の申し込みはことごとく断っているというのに!
ギルベルトはあっさりと面会を赦されていて何も思わないのか!
しかも侍女たちはすべて下げられ二人きりだというのに!
贈られた手紙に嫉妬でもすれば可愛いものを…何故、芋が出てくるのか!
高慢女?性格ブス?宰相の息子と結婚しろ?ルートヴィヒのほうが大切?
「この…大馬鹿!!!」
フランシーヌは、傍にあった花瓶を投げつけ、ティーカップを投げつけ、ソーサーを投げつけ、クッションを投げつけ、宝石箱を投げつけ………ギルベルトはフランシーヌの怒りの前に尻尾を巻いて逃げ出した。

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