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あり得ない寝言

いつも何を考えているのかイマイチつかみにくい表情をしていた。

会議中もどこかぼんやりとしていて上の空。
霞がかった瞳は、彼の意識が此処に無いことを如実に語っており、また、時折つくため息が何処か色めいて見える。
真面目に会議をしていたドイツや、我が道を行くアメリカ、それにケチをつけるイギリス、そして我関せずと眠るイタリアは気づいていなかったが、ほぼ正面に座ったフランスはそれに会議が始まった当初から気づいていて首をかしげていた。
だが、その原因がつかめない。
一体なんなのだろうか?
気になったフランスは隣の席に座っていた中国の服をツンツンと引っ張った。
ガンガン内職に走っていた中国は、「なにあるか」と少々不機嫌そうに答えてフランスを見た。
「なぁ、ちょっと聞きたいんだけど、今日、日本の様子がちょっと変じゃないか?」
聞かれて中国は、円形のテーブルを見まわし、日本に目を留めると「あぁ」と言った。
「アレは気にすることないね」
いつもの病気ある。
「は?病気って…あー、もしかして同人関係?」
「…まぁ、そんなもんある」
「ん?」
「よーく日本みてれば分かるあるよ」
「ふむ」
フランスは中国のアドバイス通り日本に目を戻した。
小柄な東洋人は、普段着としている着物ではなく、会議の席ではスーツを着用している。
だが、体格のせいか、それとも普段の和服がとても似合っているせいか、スーツはイマイチ似合っているとはいえない。
その彼の前には書類があるのだが、彼の視線は今日は一度もそちらには落ちていない。
彼の視線の先は、アメリカと言い争いをしている
「イギリス…?」
…いや、違う。
アメリカの方か…?
フランスが日本の視線を正確に追えていないのには訳がある。
それというのも、日本は誰かの顔を観ているというのではないからだ。
彼が見ているのは胴…いや、おなかの辺りといったほうがいいのか…。
アメリカのお腹のあたりはスーツで上手く隠れてはいるが…
「近所にでぶ猫がいるそうある」
「は?」
「その猫のお腹がとっても気持ちいいそうある」
「…は?」
少々嫌な予感がしつつフランスが聞くと、中国がちらりと彼を見、「つまりそゆことある」と彼の考えをあっさりと肯定してしまった。
「それからデブ専一直線ね」
「えー…」
「アメリカのお腹がプヨプヨしてたとイタリアに聞いてからずっと狙ってるあるよ」
「えー…」
「よく見るある、あのうっとりとした目を。まるで恋する乙女ね」
年寄りの冷や水というやつあるよ。
中国は呆れたようにため息をついた。
「我が弟ながら、あれにはちょっと引いてしまうあるよ」
「…っつか、お前のところのシナティとかいうのもデブなおっさ…いえ、なんでもありません」
殺気のこもった視線を受けて、フランスは口ごもり、改めて日本を見た。
ネタを明かされて改めて日本を見るとよくわかる。
彼の視線は少々メタボなアメリカの腹部に固定されていて、うっとりとしている。
あぁ、あのお腹に触れてみたいですね。
あぁ、たぽたぽとしたお腹…。
引き締まったお腹もいいですが、やはり今の時代はメタボですよ!
そんな幻聴が聞こえてきそうだ…。
正気を疑う…が、あれはマジな目だ。
「だから病気だと言ったある」
中国はブツブツ言いながら内職に戻る。
「ムキムキマッチョ萌えの次は、メイド萌え、それから執事萌えにロリ巨乳萌え、マダオ萌えにホスト萌え、妹萌えにショタ萌え、猫耳萌え、獣化萌え、にょた萌え…今回はまだマシな方ある」
「うわー…日本、ほんとスゴイいっちゃってるよね」
「それで世界に信者を増やしてるから恐ろしいある」
中国の言葉に、自身少々毒されているのを自覚しているフランスは確かにと頷いた。
だけど、さすがに男のプヨプヨの男に萌えるなんてことは無いだろう…と、頬を引きつらせていたフランスだったが、
「気をつけるあるよ、あの子、普段はおとなしーあるが、本気だすとすげーある」
中国の言葉に、確かに…と、また笑顔を引きつらせた。
彼のおかげで、目覚めなくてもいい趣味にいくつもハマり、溺れてきたフランスである。
彼は寒気を感じながらスーツに隠れたアメリカの腹のあたりを見…、あの中にあるプヨプヨに自分もまた萌える日が来るのだろうかと考えてゾッとした。

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