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愛しすぎる悩みの種

「あんたのせいだからね!」

姉ちゃんに怒鳴られて「ヴェー」と思わず声が出た。
それが気に入らなかったのか、姉ちゃんはゲシゲシと俺のことを足で蹴った。
「い、痛いよ、姉ちゃん!」
「うるっさいわね!全部あんたのせいなんだから黙って蹴られてなさい!」
「痛いッ痛い!ゆるしてぇ」
僕は白いハンカチを必死に振ってみたけれど、姉ちゃんにはこの手は通じない。
姉ちゃんはボカスカ俺の頭を殴って、それから赤いトマトのストラップのついた携帯電話を手にとった。
その姉ちゃんの横顔、ほっぺたにはポチっとちいさな赤いニキビがある。
姉ちゃん曰く、昨日までなかったそれが突然顔を出したのは、俺がスイスで買ってきたチョコレートが原因なのだそうだ。
美味しいってバクバク食べてたのは姉ちゃんなのに…横暴だ…とは思うけれど、そんなこと言えない。
それにニキビが一つくらいあったって、姉ちゃんの魅力には全く傷が付かないと思うんだけどな。
「あ、あ、あの、ドイツ?」
そんなこと考えてたら、姉ちゃんは誰かと会話を始めていた。
すごいどもり方。
だけど、これが姉ちゃんがドイツと電話するときのデフォルト。
「きょ、今日のことなんだけど…ね」
日本に言わせるとツンデレってやつらしいんだけど、いつもツンツンしてる姉ちゃんが、ドイツの前だとカチコチになっちゃうってちょっと可愛いよね。
「う…うん、そ、その件なんだけど…ちょ、ちょっと用事が出来て…」
用事ってやっぱりニキビが出来た事だったりするのかなぁ。
ニキビ一つで会いたくない…なんて、恋する乙女モードな姉ちゃんってすごく可愛いよね。
「ち、違くて…、あの、ほんと風邪とかじゃないし…!エッ、べ、別にお見舞いとか…!」
なんだか、本当は聞こえていないはずのドイツのセリフが透けて聞こえてくる。
電話を両手で握りしめて、うろうろする姉ちゃん。
「ほんとに…ち、違うから…エッ、それは…」
少し前は、姉ちゃんを取られるようで…親友を取られるようで、俺はちょっと拗ねてたりしたんだけど…。
「え!あ…ち、違う……う、うん。わ、わかった。ま、まってる」
今は、大好きな姉ちゃんの恋人が、大事な親友だってこと…すごくいいなって思ってるんだ。
「どうだったー?」
通話を切った姉ちゃんに聞くと、姉ちゃんはキッと俺を睨みつけて
「私は風邪ってことになってるから、話合わせなさいよ!馬鹿弟!!」
急いで二階に走った。
「ヴェー…」
ほんとかわいいよね。

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