スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

君は今幸せかい? 02

ちっと続けてみた。

「昨日、プロイ…ギルベルトの奴がうちに来たぜ」

フランスが優雅に珈琲を口に運びながら言うと、正面に座っていたスペインは「ふぅん」と興味なさそうに返した。
「ふぅんってお前な…」
フランスはため息をつき、自分が少しイラついているのに気付くと視線を通りに流した。
一度落ち着く必要がある。
苛立っていては彼にペースを掴まれる。
有利…とはいわずとも、対等で話をしたいものだ。

季節は初春。
日陰ではやや寒く感じるが、日の当る場所では暑さすら感じる。
人々もようやく厚いコートを脱ぎ捨て、春らしい色の服をまとっており街の雰囲気を明るくしている。
街路樹が新緑の葉をつけ、家々の窓にも色鮮やかな花々が春の風にそよいでいる。
そんなものを見ているうちにフランスは少し気分が落ち着いてきた。
スペインを向き直ると、彼はドーナツにシナモンパウダーをかけている所だった。
弧を描く口元。目尻の下がった瞳は、なんとも優しげに見える。
普段はその外見にそった温厚な男だが…このところはその性質に著しい歪みが出ていることをフランスは知っている。
「で、ドイツはおまえん家にいるんだろう?」
「おん、いてんで」
「…ロマちゃんと一緒か?」
「そやで」
ニッコリと満面の笑みを浮かべるスペイン。
フランスは寒気を感じてブルリと小さく身体を震わせた。
「お前のところにはこなかったか?ギルベルト」
「きたで。必死な顔して『ヴェスト、見なかったか』やて。…はは、めっちゃ面白かったわ」
「面白いって…目が血走っててめちゃくちゃ怖かったろう」
「ギルちゃんの目が赤いのはいつものことやん」
「そうじゃなくって…」
フランスはドーナツの乗った皿に落ちたシナモンパウダーを指でかき混ぜ、ぱくりと指に咥えた。
「あいつド…じゃなくて、ルートヴィヒの事になると見境ないからな…あぶねーんじゃねぇの?」
「大丈夫やろ」
「大丈夫って…。」
「いてへん言うたらあっさり帰っていったわ」
「…ってことは、今頃は近所をまわってんだろうな」
ある程度知り合いの所を回っていないとなると、今度は全世界に向かって電話攻撃か…?
それで見つからないとなると、今度は世界をまわり歩きそうだ。それでもドイツの姿がないとなると…それこそ血の雨が降りそうだとフランスはゾッとした。
「返却する気はないのか?」
「ないなぁ…。ロヴィも気に入っとるし」
もちろん、俺も。
「だからって…、あいつは国だぜ?それを…」
あぁ、一般人のいる場所では話しづらい…とフランスは顔を歪ませ…
「とにかく…いつまでも家に閉じ込めておけねぇだろう。そんなのバレたら国際問題だぜ」
「バレへんかったらええやん」
それともお前、言う気なんか?
ちらりとフランスを見るスペイン。
表情は先ほどと変わらず柔和。
しかし、その瞳は凍てつくほどに冷たい。
フランスは慌てて目をそらすと「まさか」と小さくつぶやいた。
「お兄さん、もう血の気の熱い年齢はすぎちゃったんだよ」
「ふぅん、そうなん」
「そうなん…です…」
言いながらフランスはしまったと自分の言葉に後悔した。
これではこれ以上彼に質問を重ねることができなくなってしまった。
苦い顔をするフランスの横顔を見て、スペインはクスリと笑った。
「大丈夫やで。何を心配しとるんかはしらんけど、別にアイツに危害を加えようなんておもってへん…。って、もう額に7針ほど傷を負わせてしもうたけど…」
「お前…ッ」
「大丈夫やって。命には全く別状はあらへんわ」
柔らかな笑み。
そこに透けて見えるのは修正不可能な歪み。
「それに、そんなに長いことかからへんと思うねん」
「…?何に?」
スペインの笑みの質がふと変わったのに気づいてフランスは思わず聞いた。
あらぬ所を見ていたスペインの顔がフランスに戻り、そしてニッコリと今度はいつもの無邪気なほほえみを浮かべた。
「そんなんルートヴィヒがロヴィの魅力に気づくまでに決まっとるやん」

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。