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暗黒騎士 28

その日、暗黒騎士団は訓練の為、都を離れひらけた草原にある街を訪れていた。
訓練の場所は、ここから更に馬で三日ほど移動した場所にある岩場だ。
演習地では一週間の滞在を予定しているので、今日はゆっくり羽根を伸ばすことにしている。
っといっても、彼らを本当の意味で自由になど出来るわけがない。
都からは随分離れているとはいえ、此処はバロンの国内なのだ。

「サインをお願いします」
佳境に差し掛かった本を読んでいたセシルは、背を預けていた椅子から半身を起こしエンリに差し出された書類を見た。
そしてそこに記してある軍資金の出金額を見て眉を潜めた。
「何か災害でもあったの?」
セシルの言葉にエンリはぽかんとした顔をした。
「はい?」
「いや・・・援助でも申込まれたのかと思ったんだけど?」
それを聞いてエンリは苦笑し、違うと首を横に振った。
「そうじゃなくて、あいつらにですよ」
「あいつら?」
「だから・・・」
言いかけてエンリは一度口ごもり、そして
「女をあてがうんです」
肩をすくめた。
「女を・・・?」
どういう意味かと一瞬困惑したセシルだが・・・すぐにその意味を理解して、わずかに頬を紅に染めた。
「あ・・・あぁ」
「そういうことです。その・・・まぁ、発散させとかないと」
セシルは困った顔をして「そうだね」とだけ答えた。

セシルは性に関してどうも綺麗すぎるところがあるが、もちろんそういった欲求に対しての理解はある。
特に暗黒騎士団の騎士たちなどは、あまりフラストレーションを溜めすぎると暴発しかねない。
これから訓練でそういった機会から随分と間をおくことになるのだ。この街で女を見繕ってやるのは仕方のないことだ。
そうでなければ・・・まずいことになりかねない。
下品な話だが、ここで抜かせておくのが利口なのだ。

「この街には4軒の娼館がありますので、そちらに寄せてもらおうと思っています。」
「あ・・・あぁ」
「相場の2.5倍を当てていますが・・・これは、あいつらの相手を務めるのに妥当な額だと考えていますが」
「あぁ・・・」
「それとそれにともなって明日の集合は昼ごろになると思いますが、いいでしょうか?」
「う・・うん」
「それでは、ここにサインを貰えますか?」
「あぁ・・・」
言葉が少なくなってしまったセシルは慌てたようにペン立てから筆を取り、インクに先を浸してエンリに求められるままにサラサラとその書類にサインをした。
エンリはサインをもらった書類をくるくると巻いて紐で縛り、胸元に入れた。
「確かに。それでは・・・」
と、身を翻したエンリだが、入り口のあたりでふと部屋を振り返り、
「セシル団長もいかがですか?一番の美女をあいつらに選ばせますが?」
からかうように笑った。
セシルはその言葉に今度こそ白い肌を真っ赤に染め、「いらない」というとそっぽを向いてしまった。
思春期を迎えたばかりの子供でもあるまいし、何を恥ずかしがることがあるのかと、もう一つからかいたくなったエンリだが・・・居心地悪そうに身動ぎしている上司を見ているとその気も失せた。
エンリは一つ首をふると、下で暇にかまけているであろう部下たちの元へと足を向けた。

U2 - Vertigo エヴォリューションも最強っすよね。
Bloody Sunday

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