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暗黒騎士 17

雪の話忘れてた・・・(笑
以下、違う話です。
まだ所属の決まっていない一般兵士見習たちが、円形闘技場で模擬訓練を行っている。
人が多い割に静かなのは厳しく教え込まれているということもあるが、観客席にぽつりぽつりとある上級士官たちの姿のせいであろう。
彼らはこれから志願を出す見習たちをスカウトしようと、もしくはすでに志願を出しているものたちの実力を見ようと見学しているのだ。
広場にいる生徒たちは男が大部分だが、女の姿もちらほらある。
年齢は大体14~17歳くらいだが、中には国の最高学府を卒業してから志願したものや、他の職業を経験したのちに志願した者もいる。
ちなみにこれは新兵を選ぶためのもので、配置換えを望んで試験を受けるものや他国からの志願、傭兵上がりのようなものたちは含まれていない。
彼らは訓練用の軽い鎧甲冑を身に着けている。
その中にあって下級士官の甲冑をつけ、腕に赤い布を巻いた数人が教師で、緊張した面持ちの生徒たちに身体をよくほぐすようにと声をかけている。

それを見ながら、
「懐かしいね」
言葉どおりに懐かしそうに目を細め声を出したのは、一般士官服を身につけたセシル=ハーヴィだ。
暗黒騎士は人々に畏怖される存在。暗黒騎士の姿では生徒たちが委縮してしまうという配慮からのこの目立たない格好だ。
「本当にそうですね」
セシルの言葉に楽しそうに微笑んで答えたのは、彼の副官であるエンリという青年だ。
彼もまた一般の士官服を身につけている。明るい色の髪をした見るからにお人よしといった風の彼は、暗黒騎士団の中ではとても異質な存在である。
「自分が此処で模擬をやったことを思い出します。」
「先輩は槍騎兵(ランシエ)のスカウトを受けたんですよね」
「えぇ。上官もいい人だったしそのままランシエに居座ることもできたんですが、貴方が暗黒騎士になったというので慌てて黒騎士に配置換えを願い出たんです」
「それは・・・ありがたいというか・・・気の毒というか・・・」
苦笑するセシル。黒騎士とは暗黒騎士を補佐する騎士のことで暗黒騎士団に配属されながらも地位は幾分低くなる。
エンリは特例として副官に任ぜられているが、他の黒騎士は歩兵と変わらない・・・もしくはそれ以下の雑用係としてしか扱われないのが実情だ。
エンリも、ランシエにいたなら直接隊を率いることもできたのだろうが、彼は進んで黒騎士へと志願している。
セシルとしてはエンリという右腕はありがたいことだが、エンリのことを考えると少し気の毒になる。
「何を言ってるんですか。暗黒騎士なんていう荒くれ者の狼集団の中に貴方みたいな人を一人で放り込むわけにはいかないでしょう?」
「エンリ先輩は昔からお人好しだからね」
「そんなことはないですけど・・・」
っといいつつも、彼自身、自分がお人好しでおせっかい焼きなのを自覚している。困ったように頭を掻き、それより・・・と話題を転じ、口調も僅かに変えた。
「団長自ら見学とは珍しいですね」
「うん。まぁいつもいつもエンリにばかり苦労をさせておくわけにはいかないから」
エンリの口調が副官のそれに変わったことに気づいたセシルもまた、彼を先輩と慕うそれではなく、彼の上官としてのそれに変えた。
「といいつつ、気になる逸材でもいるんじゃないですか?」
「いや、そういうわけじゃないが・・・」
「わかってます。ウルシラのことですね?」
副官に質されてセシルは戸惑いながらもやがてコクリと頷き、見下ろす円形闘技場へと視線を転じた。
そちらではそろそろ第一試合が始まろうとしている。
一人はいかにも重騎兵に向いていそうな大柄な少年、そしてもう一人は小柄だが敏捷そうな軽騎兵向きの少年。持っているのは互いに両刃の剣だ。
その試合も面白そうではあるが、
「彼がどこにいるかわかるか?」
「ちょっと待ってください」
セシルの言葉にエンリは目を凝らして一人一人を見ていく。
対戦を控えて緊張気味のものや、グリーブをはめているもの、歓声を送るものに・・・
「あぁ、いましたよ」
「何処?」
「あの端・・・」
エンリの指差した先をたどり、やがて一人ぽつんと立った少年兵に行き当たる。
この中でも最年少の部類に入るであろう少年は、その中でも細く頼りなく見える。
「志願は変わっていないのか?」
「えぇ。一貫して暗黒騎士団です」
「そう・・・」
「・・教官に一人知り合いがいるのですが、彼の話ではウルシラは虐められているようです」
「・・・戦争孤児だから?」
「それは・・・このバロンにあっては珍しいことではありません。むしろ、近頃併呑されたばかり地方の王族だったということが主因でしょうね」
兵学校では徹底的に上下関係を教え込まれる。その中で自分たちよりも下と判断されれば、執拗な暴力を振るわれることになる。
陰湿ではないが、肉体的にはかなりの苦痛を伴ういじめ。
無論、教師たちはそれを奨励しているわけではないし、虐められているものを助けようとするものもいる。
それでも・・・結局は本人が何らかの決着をつけない限りは続く儀式だ。
「・・・・可哀想に」
「・・・といっても、セシル団長ほどじゃないでしょうけどね」
と、エンリがおどけたように笑うのは、セシル自身がひどいイジメにあっていたからだ。
彼の生まれが定かでないことや、バロンにやってきた経緯、バロン王の恩寵の事だけで虐められる十分な理由になったのだが、それに加えて、少年時の彼は色白で細く華奢で女の子によく間違われていた。
「あの時は大変お世話になりました。エンリ先輩」
冗談めかして笑うのをエンリも肩をすくめて受け止め、
「それはカイン団長にいってください。あの人が一番苦労していたようですよ」
「えぇ。もちろん。彼にもとても感謝していますよ。」
と、そのときキーーーーンと剣と剣が激しく打ち合った音。
そちらに目を戻すと、小柄だった方の兵の剣が弾き飛ばされたところだった。
教師やすばやく右手を上げて、大柄な方の勝ちを宣言する。
悔しそうにする小柄な方だが、すぐに立ち上がり深く頭を下げて後ろに引いた。
そして次の対戦者二人が闘技場へと上がった。
「それで・・・ウルシラの剣の腕の方は聞いていないの?」
「身のこなしは悪くないということですが、まだ力がそれに伴っていないとか。でも・・・」
「でも?」
「・・・・根性はあるので見込みはあると・・・」
「根性ね」
エンリの苦いような言葉にセシルが皮肉に言った。
なぜなら、彼の根性の根拠がセシル自身にあるのだと知っているからだ。
「しかし、やはり今回暗黒騎士の試験にかけさせるのはどうかと思います」
「うん」
「精神的なものは乗り越えられるとしても、肉体的にはまだまだ未熟です。王族としてぬるま湯につかっていた体を鍛えなおすにはあと2年はやはり必要でしょうね」
「・・・そう。で、志願書をつき返して彼は納得がいくかな?」
「今回は納得しても、来年また志願しそうですけどね。受け入れられるまで何度も」
「・・・どうしたものだろうね。」
手すりに頬杖をつきため息をついたセシル。
「そういえば、ジンがね。彼はいいところまでいくじゃないかっていってたんだよね」
「へぇ。あのジンがね」
彼が他人の事に口を出すのは珍しい・・・と感心するエンリ。
セシルはそれを聞き、目では闘技場を見ながらふと頭をよぎったことに目をぱちぱちと瞬き・・・自分の考えが正しいかどうかを少しの間考え、そしてそれがそれほど悪いものではないと結論をつけると、手すりに預けていた体を起こした。
「エンリ、決めた」
「え?」
「ウルシラを暗黒騎士団にいれよう」
「え?!なんですか!?いきなり!」
どうしていきなりそんな結論が出てきたのかと目を丸くするエンリにセシルは小さく笑い、自分の言葉の足りない部分を補った。
「といっても、僕の小姓としてだけどね。これって、結構いい考えだとおもうんだけど?」

雪は・・・また、気が向いたら(話が湧き出てきたら)かきます。
あと、本趣旨から少しずつずれていく恐怖。
あ・・・しかも、カインと出会うの忘れてるし(大ボケ

BLACK DIAMOND / DOUBLE×安室奈美恵

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