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竜騎士 14

読みようによってはカイセシorセシカイに見えるかもしれない。
友情のつもりですが、敏感な方はご注意。
久しぶりに僕の部屋に姿を表したカインは、きちっとした竜騎士の格好をしていたが・・・何故かボロボロに見えた。
カインも僕とは別の意味で部下には苦労をしているのかもしれない。
僕は彼に気づかれぬように小さく笑うと、彼の為にたっぷりと甘いミルクティを入れた。
彼がそれを好まないのは知っていたが、こういう時に心が落ち着くのはやはり甘い飲み物だ。
僕の気遣いがわかったのか・・・カインは何も言わずそれを持ち上げて口をつけた。そして、
「美味い」
・・・どうやら本当にお疲れのようだ。

「どうかしたの?」
エンリからもらったクッキーを彼に勧めながら聞くと、
「半分はてめぇのせいだ」
口汚く吐き捨てられた。
「え?」
「だから、お前のせいだ。セシル。お前の」
眉間のあたりに指をさされて・・・思わず目が寄る。
頭がくらりとして首をふると、カインに笑われた。
「お前のところのやつらはもうちょっと協調性というやつを勉強させたほうがいい」
「協調性?」
間の抜けた声が出た。
別に協調性の意味を知らないわけではない・・・だが・・・
「それを暗黒騎士団の騎士たちにもとめるのはお門違いじゃないか?」
そんなのは生まれたての赤ん坊に泣くなと言うようなものだと言うと、カインは言い得て妙だと笑った。
「確かにな。でもお前の所の騎士は、赤ん坊だったころに泣けなかったタイプだろうな」
「かもしれない」
泣きたいときに泣けなかった子供・・・それがまんま大きくなると、きっと彼らのようになるのだろう。
「だとしたら、カインの所の騎士たちは健康優良児だね」
「あぁ、いっぱい食って、飲んで、笑って、寝て・・・毎日生を謳歌しているよ」
「そうみたいだね。・・・僕の上であぐらを掻いてくれたみたいだし?」
彼の副官であるサッズのことを当てこすってやると、カインはあからさまに不機嫌な顔をし口を尖らせた。
「はは。」
「笑うなよ。あいつは・・・サッズは時々、俺たちの方よりも暗黒騎士の方が向いているんじゃないかと思うことがある」
「そう?だったら、僕もだね」
「ん?」
「エンリ先輩のこと。彼は、こっちよりもそちらに向いている気がする」
どう?取り替えてみる?
冗談で口にしてみる。
冗談、もちろん冗談だ。
だが、カインはあからさまに嫌な顔をした。
そして、
「エンリ先輩は俺には扱えない」
などと遠まわしなことを言う。
サッズを手放したくないのならストレートにそれを口にすればいいのに。
いや、そうしないカインだからこそ、僕は彼を好きなのかもしれない。
彼は騎士団を率いている時は誰よりも頼りになる“大人の男”だ。
頭の回転が早く、切れすぎるくらいに切れる男。
戦闘技術、竜を使う技術共に他の追随を許さない、強い強い男。
だが、自分の守るべき隊から一歩踏みでると・・・そう、たとえば、今のように僕とふたりだけの時など、時々、本当に子供のような態度を取る。
拗ねたり、自惚れたり、はにかんだり・・・。
それを知っているのは・・・きっと僕と、ローザ・・・そしてもしかしたら、サッズくらいなものかもしれない。
「彼は気難しい?」
「エンリ先輩が?」
「違うよ。君の副官だ」
「あぁ・・・」
彼は言いづらそうに口ごもる。
そして結局言うのだ。
「だけど、あれはあれでいいんだ」
やはり簡単には自分の副官を褒めないカイン。
だけど、それがとても好ましいと僕は思う。

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