スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

忍 02

エブラーナは忍の国である。
特定の宗教をもたぬ変わりに、自然の四大元素である地水火風を崇めている。
エブラーナには王家の他に四つの大きな家があり、それぞれ地水火風を修めている。
つまり、地の家は土属性の忍術を、水の家は水・氷属性の忍術を、火の家は炎属性の忍術を、そして風の家は疾風・雷の忍術のスペシャリストというわけだ。
エブラーナの民は地水火風のいずれかに属しており、1つは必ず忍術が使える。
中には2つ3つと修めるものもないではないが、それはごく限られた人でしかない。
そして、王家は四属性すべてを扱うことが出来る特別な血筋である。
現在、王家には男児は一人。
地水火風にはそれぞれ娘が一人~し三人がいる。(男児はまた別に居る)
エブラーナの王子であるエッジは、その地水火風の家から嫁を選び妃する事になっているのだが・・・。


「あぁ、いたいた」
火の家の長男であるところのオスカーはエブラーナの城の近く、海岸に面した岩場の高い場所にエッジの姿を見て声をあげた。
忍者の青年らしく細身ではあるがしっかりとした体つきの彼は、ひょいひょいと身軽に岩場を登り岩場の上で昼寝を決め込んだエッジのすぐそばに立った。
エッジは薄眼を開けてオスカーを見、すぐにまた目を閉じた。
それを見てオスカーはため息をつく。
「若様、姉が呼んでおりましたよ」
彼の姉というのは、火の家の長女であるレギーナのこと。つまり、エッジの妻の候補者である。
すらりとした長身の女は、エブラーナでも屈指の美人ではあるのだが・・・その分、性格はキツく。また、火の家の長女ということでやたらめったら強い。
「レギーナ?」
「そうです。」
と、ここまでは割と丁寧な口をきいていたオスカーだが、
「あんたねぇ、一体姉に何をしたんです?」
一応敬語の形をとってはいるものの、いきなり慇懃な口調になる。
「そりゃもう、髪の毛逆立てて怒り狂ってましたよ」
しかし、これが本来の態度なのだろう。エッジは肩を揺らして笑いはしたものの、彼の言葉に怒ることは一切なかった。
「さぁ・・・なんだったかなぁ?」
レギーナとは古い付き合いがあり、エッジとレギーナは昔はいい喧嘩相手だった。
近頃は・・・というと、エッジよりも年下であるレギーナの方がエッジよりも一足先に大人の女性に変わっていて、普段は彼と一緒にバカをするなんて事は一切無くなった。
だがエッジの法はまだまだ子供。相手に時々彼は彼女に悪戯を仕掛け、それにレギーナも昔の調子を取り戻して彼を追っかける・・・といったようなことが繰り返されている。
「もぉ、八つ当たりされる身にもなってくださいよ」
散々な目にあったというオスカーをよく見ると、エッジより幾分長めの髪の先が焦げている。
目を開けたエッジがそれを見ておかしそうに笑った。
「そりゃぁ災難だったな」
「そう思うなら、さっさと姉のところに行ってくれませんかねぇ」
「やーだよ。んなことしたら殺される」
「大丈夫ですよ。あんたは一応王子なんだから、半殺し・・いや8割殺しくらいで勘弁してもらえますよ」
そんなのごめんだ・・・っと肩をすくめたエッジは、ヨッと小さく掛け声をかけたあと上半身を起こし、両手を頭の上でむすんで大きく伸びをした。
ゴキッと小気味のよい音が鳴る。
「そういやオスカー、知ってるか?」
「何をです?」
「バロンの海に海王の巣があるって話」
爺からつい先ほど仕入れたばかりの話を披露する。
だが驚くかと思ったオスカーの表情は全くかわらず、「あぁ」といっただけだった。
「なんだ。つまんねーな」
がっかりしてみせると、オスカーは、
「絵本に載ってますよ」
と苦笑した。
「絵本?!」
「もちろんエブラーナのじゃなくて、バロンのですけど。」
「絵本なんて集める趣味があったのか?」
「まさか。前に古本市でみたことがあるんですよ。まぁ、母親が子供に言うことをきかないと、リヴァイアサンに海に連れて行かれちゃうよ って言い聞かせるような話ですよ」
「つまんねーなぁ」
「いや、結構面白かったですけど?」
「まぁいいか。とにかくさぁ、そのリヴァイアサンっての興味ねぇか?」
目をきらきらとさせて身を乗り出してきたエッジにオスカーは眉を潜める。
「興味はありますけど・・・でもダメですよ」
エッジが見に行こうと言い出すのを見越して釘を刺すオスカー。
「なんだよ。まだ何もいってないだろう?」
不満そうに口を尖らせるエッジ。
その姿だけみれば、よっぽどオスカーよりも年下にみえるのだが、実際にはオスカーはエッジよりも6つ年下である。
「だーめですって。」
「興味あるっていったろぉ?」
「それとこれとは別ですって」
「いいじゃねぇか。行ってみようぜ。で、リヴァイアサンの鼻っ面殴りつけてやろうぜ!」
弾みをつけてエッジは立ち上がると軽いステップを踏みながら、「ホッホッ!」とシャドウボクシングのような真似をする。
その一発をわざとオスカーに入れようとするので、オスカーは慌てて横に飛びのいた。
「あんたねぇ、ガキじゃないんですから!」
「オスカー」
「ダメですって。さっさと姉に怒られてくださいよ」
「いや!絶対いや。俺一人でもいくぞ!」
行く。今行く。すぐ行く。
と言うエッジにオスカーはにわかに慌てた。
エッジは気分本位なところがある。つまり、思い立ったが吉日という考え方を彼はする。
「ちょ・・・若様~?」
「行くぞ!船出だ!ヨーソロー!!!」
一気にテンションが上がってしまったらしいエッジは、顔をほてらせ、両手に拳を握って上に突き出す。
そして、もうオスカーのことなど忘れてしまったかのように岩山を走り下って行った。
ヤッホーーーーィというエッジの声がドップラー効果で遠ざかる。
オスカーは唖然としたまましばらく見送っていたが、ハッと我を取り戻すと、
「ちょ・・・ちょっと待ってくださいよ!!!!!」
慌てて、エッジを追い走り出した。

ちょっと冒険させるのもいいかも。
でも、こいつの場合は共がどうしてもオリジになるのがなぁ。
捏造過去ってことで誰か合流させてもいいな。(っつか、そもそもが捏造だ・・・orz

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。